昨日は真っ昼間に走ったせいか,ベッドに横になった後も頭がボーっとしてあまり寝付くことができなかった。起床は8時。パンを食べて荷物をまとめ,出発は9時過ぎ。この時間になると太陽はかなり上り,「朝の涼しい時間帯」等はとっくに通り過ごして炎天下になっている。
今日の目的地は,この旅1番の目的地である「国頭村」。「やんばる」という言葉はあの「ヤンバルクイナ」で有名だが,やんばるというと名護市より北にある大宜味,東,国頭の3村を指すのが一般的。でも,名護もやんばると言ったり,西にある本部半島もやんばるに入れてしまうこともあるようだが。
・・・で,国頭での目的は何かというと,それはもちろん「鳥見」。やんばるの森には世界中でもここにしかいない固有種(鳥に限らず)や魅力溢れる生き物がいっぱい。やんばるを訪れるのは今回で4回目となるが,何度来ても「また来たい!」と思う,素晴らしい場所だ。しかしそのやんばるを取り巻く深刻な問題も数多くあり,ただ楽しいだけではないことを付け加えておきたい(これについては追って書いていこうと思う)。
さて,ホテルを出発してまず向かったのは,58号線を名護市街地から5キロほど上ったところにある「森のガラス館」。ここは本島全域にある「琉球ガラス」工房の一つで,作成過程を見るだけでなくガラス作りの体験や作品の購入も可能なところだ。ところで,琉球ガラスって何?という方もいるかもしれないので,ここで少し説明。
琉球ガラスは明治中頃から作られていたらしいのだが,現在のスタイルはまだ新しく,戦後に米軍がもたらした大量の飲み物の廃瓶を利用して誕生された物。廃瓶を利用するので不純物が混ざって気泡も入り,ガラスも厚かったが,それを持ち味として活かしたことで発展してきた。
2年前には南部にある,似たような工房へ行ったことがあるので雰囲気は知っていたが,再びこう見て感じるのは「暑そう〜」ということ。僕らが行ったときはちょうどツアー客がゾロゾロとやってきて賑やか(うるさい?)だったが,普段はのんびりと作っているのだろうか。
1時間ほど過ごした後は58号線に戻り,これまたちょこっと進んだところにあるJASCOに立ち寄ることに。近くにはマックスバリュや地元スーパー,電器店,ホームセンター,レストラン,食堂,ネットカフェ等が集まり,この一帯は郊外のショッピングモールとなっている。JASCO内ではネコの写真展が開かれており,その一角に「ヤンバルクイナたちを守る獣医師の会」による,ヤンバルクイナの写真展&捨て猫ストップの呼びかけコーナーが設けられていた。
先程も書いたが,やんばるでの環境問題の一つにはこの「捨て猫(マングース。要は移入種)」の問題が挙げられる。やんばるの森に捨てられたネコ達がヤンバルクイナを始めとする貴重な生き物を餌としているというものである。
この獣医師会の皆さんは各地で啓蒙活動やパトロール,そして今は個体識別のためにネコに埋め込むマイクロチップの普及活動等を精力的に行われている(HPはhttp://homepage1.nifty.com/kunigami/Yanbaru/ を参照)。直接話を聞くことはできなかったが,こんなところでも活動をされているのだなあと,ちょっと感激した。
その後はJASCO内で服や食料,本等を見て昼まで時間を潰し,お腹が空いたところで出発。昼食をどこでとろうかと考えつつ走っていると,目の前に真っ黒な積乱雲の塊が現れた。「これはやばい!」急ぎ足で進むと食堂があったので駆け込むことに。自転車を止めるとほぼ同時にスコール,間一髪だった。食堂で注文したのはソーキそば大(600円)だが,ここの麺は平麺で僕好み。雨が過ぎ去るまで食堂で休憩し,隣にあるホームセンターでキャリアのネジを補給した後,もう一度スコールをやり過ごしてから出発。
その後も上空には活発な積乱雲がモクモクと発生していたが幸い雨には至らず,真夏の空のもと気持ち良く走る。途中,屋我地島に架かる橋の手前にある干潟ではダイゼン,チュウシャクシギ,ダイサギ。向かい風にちょっと悩まされながらも,大宜味村の道の駅には15時到着。本島の道の駅は名護と国頭,それにここ大宜味の3つしかないのだが,どこも個性溢れる道の駅で気に入っている。
ちなみに,ここのおすすめは特産品の「シークワサージュース(原液)」。シークワサーは別名ヒラミレモンとも呼ばれる柑橘類で,酸味は強いがそこがまた美味しい。泡盛をこいつで割ってもGOOD!,レモンのように色々な料理にも使える優れものだ。ちなみにやんばるで買えばペットボトル1本600円前後。那覇で買うと台湾産とのブレンドで700円〜といったところだろうか。
大宜味の道の駅の次に訪れたのは,更に北へ5キロほど行ったところにある「喜如嘉」。ここは田畑の広がる,シギチ多き鳥見スポット。水の入っている休耕田は少なかったが,リュウキュウヨシゴイ,タカブシギ,イソシギ,ジシギsp.等を見ることができた。そして鳥見を終えてようやく今日の目的地である国頭の道の駅に着いたは17時。ここでちょっとびっくりしたことが。それは,外に屋台(居酒屋)ができ,道の駅の中は模様替えが行われ,そして「国頭ツーリズム協会」の事務所(?)があったこと。「エコツーリズム」が,名前だけではなく本当の意味でできればいいんだけどなあ。
さて今日の寝床だが,最初は道の駅に芝生があるのでそこにテントを張るつもりだった。しかし居酒屋ができてしまったので変更することにし,道の駅から南へ1キロほど行ったところにある「半地」の砂浜に決定。ここは隣にグラウンド&トイレがあり,水の確保も可能なのでやんばるに来る際一度はテントを張るところだ。特に夏場や休日は地元の方も大勢キャンプをする場所。今日は9月の平日ということもあってか,僕等の他にテントは二つ。
二日連続で綺麗な夕日に感動し,食後はこれまた見事な星空に大感激して気持ち良く床に就く・・・はずだったのだが,僕のテントは通気口が入り口の一つ(&上に小さなのが一つ)だけ。入り口を開けておけば蚊が入ってくるのでそれもできず,外で寝ようとしたら雨が降ってきたりと,結局汗だくになりながらテントで我慢することになるのだった。走行距離は35キロ。
<今日見た鳥>
ダイサギ クロサギ リュウキュウヨシゴイ ダイゼン タカブシギ イソシギ チュウシャクシギ ジシギsp. キジバト ヒヨドリ イソヒヨドリ ツバメ リュウキュウツバメ キセキレイ ウグイス セッカ スズメ ハシブトガラス
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