'02九州 
3日目(7/25) -台風接近!-
朝はトンボがたくさん舞っていました。しかし,しばらくすると・・・。

 阿蘇はくじゅうと違って冷え込まない。むしろ寝苦しい夜だった。予報は曇り昼過ぎから雨。朝方は日も射し込み,台風が近づいている感じはそれほどしない。とはいえ,南の方には濃い雲が覆い被さっているので,やはり近づいているのだろう。

 今日はいこいの村に連泊し,とりあえず様子を見ることに。休養日というわけだ。何もしないで過ごすのももったいないので,昼前からバスで阿蘇山の火口へと向かうことに。阿蘇駅の前にあるローソンで昼ご飯を買い,ふと情報誌コーナーに目をやると,ガラスに張り紙がしてある。

 「7月7日オープン! 阿蘇ライダーハウス」

 お!阿蘇にもライダーハウスができたのかぁ。場所は,阿蘇駅からは北へ5キロ程度の内牧温泉街にあるらしい。値段は1泊目900,2日目800,3泊以上は一日につき700と,なかなかリーズナブル。温泉はすぐ横にあるし,いいじゃないですか。今度来るときは是非とも利用してみよう。

 さて,昼食を買って阿蘇駅に行き,バスの出発を待つ。こんな日に火口へ行こうとする人なんて,そうそういないだろうと思っていたが意外や意外,10人弱がバスに乗り込んだ。阿蘇駅から火口下の駅までは片道540円。30分程度の道のりだ。

 この道は傾斜がなかなかあり,道自体が狭いので自転車で上るのは結構きつい。去年のGWに,荷物なしで上ったのだが「きつい」の一言だった。もちろん,今日この道を自転車で上っている人などいやしない。山を登るに連れて風も強くなり,台風の接近を直に感じる。 草千里にて。強風というのがわかるでしょうか?

 バスは草千里で10分ほど休憩。その間に写真を取りに行ったのだが,風が強い!それでも人はいるもんだ。車やバスで来ている観光客がたくさんいた。みんな結構楽しそう(!?)。

 火口下の駅に到着すると,風はさらに強くなっている。こんな中ロープウェイなんて出ているのだろうかと思ったが,どうやら出ているらしい。帰りは歩いて降りてくる(火口に行くにはロープウェイか有料道路を通らなくてはいけない。ただ,有料道路の横にある歩道を歩いても行くことができる。もちろん無料)ことにして,ロープウェイに乗る。片道410円。バスと合わせると,片道1000円弱か・・・。

 火口に着くと,辺りはガスっていて視界がきかない。とりあえず火口を覗いてみるが何も見えるわけではない。それでも証拠写真くらいはと思って撮っていると・・・

 「ゴホッ。」

あれ,風邪でもひいたのかな?そう思うと

 うーん,これは・・・
すると,アナウンスが流れてきた。「ただ今,硫黄ガスの濃度が急激に上昇し,人体に影響を与えるレベルに達しました。火口にいる方々は直ちに避難してください。ただいま,硫黄ガスの濃度が・・」

 「ゴホゴホッ。」 阿蘇の火口にて。なーんにも見えません。

 やっぱり硫黄ガスか。隣にいた係員のおっちゃん達は急いで僕たちに移動するよう促す。ロープウェイにはツアーで来たおばちゃん集団がいたのだが,火口を見る前に集合写真を撮っていたらしく,撮り終わったときには火口は既に閉鎖。かわいそーに。

 帰りは歩いて降りようとしたのだが,視界は数メートル前も見えないような状況になり,硫黄ガスもあるのでさすがに断念。滞在時間10分足らずで410円をまた払い,下へと降りることに・・・。火口の駅に戻ると,「今日のロープウェイは運休」となっていた。自分らが乗ったのが最後だったのか。ぎりぎりセーフというべきか,金の無駄だったというべきか・・・。

 バスで阿蘇駅に戻ると,雨が降り出した。予報では夕方から雨だといってたけど,少しばかり早く降り始めたな。急いで買い物を済ませ,いこいの村へと戻る。台風情報をチェックすると,暴風域に入る恐れはなさそうだが,今夜一杯が峠のようだ。とりあえずひどくなる前に風呂へと向かう。ホテルの風呂は500円。温泉ではないが,なかなかいい感じの風呂だ。少なくとも昨日のアゼリアよりは数段マシ。

 テントに戻り,しばらくすると雨風が強くなってきた。この感じだとちょっとやばいかも・・・。姫も心配気味なので避難することに。ちょうどすぐ側にプレハブ小屋があったのでそこを借りる。いこいの村のおっちゃんが回ってきたので避難の旨伝えると,快く承諾してくれた。よかったよかった。

 その後は台風の風の中炊事場で夕食をとり,就寝。雨風共に強まってきているが,建物の中ならばへっちゃらだ。ほんと,家って凄いな。


4日目(7/26) -進路変更で熊本へ-
かわいいアマガエルに姫は大はしゃぎ。

 昨日は小屋の中で寝たため,雨風を無傷で凌ぐことができた。朝の空は赤っぽい。これも台風の影響だろうか。強風域にしか入らなかったが,それでもテントだったらちょっとヤバ目の風が吹いていたなあ。

 台風は夜が明ける前に過ぎ去ったようだが,雨が止む気配はない。天気予報でも「昼過ぎからくもり」だそうだ。とりあえず朝食をとって今日どうするかを考えることに。

 高千穂方面へは行きたいが,向こうの天気はここよりさらに悪く,回復も遅いという予報を聞いて,進路変更を決定。今回は西回りで鹿児島へ行くことに。阿蘇で天気が回復するまで連泊して高千穂へ行き,延岡から福岡へ帰るという案もあったが,姫が,実家である鹿児島まで行きたいと言うので前者をとった。僕にとっては宮崎も鹿児島も走ったことのない地なのでどちらでも良い。宮崎はまたの機会にお預けだー。

 雨は止まないが,時間もそれほどあるわけではないので10時前に出発。57号線を西へと向かう。坂道は大したことなく,全体的に緩やかな下りが続く。しばらくすると晴れ間も見えるようになって,回復の兆しが!57号線は,外輪山を抜けるまでは片道だけだが歩道がついていて危なくはない。しかし,外輪山を抜けると状況は一変する。

 かなり急な下り&歩道なし,しかも路側帯さえほとんどない。それが数キロ続く。道路は国道なので交通量はもちろん多い。トラックやバスは平気で自転車の横数十センチをかっ飛ばしていく。危なすぎる!!自転車いるの見えるはずだから,少しくらいスピード落としてくれてもいいのに。まあ海外ではトラックに轢かれても「轢かれた方が悪い」で通ってしまうらしいから,それを考えれば仕方のないことかもしれないけど・・・。交通量が少なければ「楽しい下り」かもしれないけど,ここは「危険な下り」であることに間違いない。 天気もすっかり回復しました。

 坂を下りきると「道の駅大津」が。しばらく休憩したあと,熊本市内へ向けて出発。しかし暑い,暑すぎる。今まで高地にいたせいもあるが,そうでなくても暑い。こまめに給水しながらゆっくり進む。夏の九州をちょっとなめていたかな・・・。

 今日の宿泊地は熊本市内,水前寺にある「ホテル法華クラブ」,ツインで7560円。ユースの会員になっていない僕らにとっては,この値段ならどっちに泊まっても大差ない。

 汗を流したあと,市内の散策&コインランドリー探しへ。夕方,市内のお菓子屋さんでバイトをしている従姉妹と再会。お土産にミニケーキをもらった。これが最高に美味しかった。間違いなく今まで食べたケーキの中で一番。ツーリング中ということも少しはあるだろうけどね。

 洗濯をすませ,ホテルに戻ったのは9時半。意外と疲れた散策。今日はベッドで熟睡・・・。走行距離は62キロ。


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