阿蘇はくじゅうと違って冷え込まない。むしろ寝苦しい夜だった。予報は曇り昼過ぎから雨。朝方は日も射し込み,台風が近づいている感じはそれほどしない。とはいえ,南の方には濃い雲が覆い被さっているので,やはり近づいているのだろう。
今日はいこいの村に連泊し,とりあえず様子を見ることに。休養日というわけだ。何もしないで過ごすのももったいないので,昼前からバスで阿蘇山の火口へと向かうことに。阿蘇駅の前にあるローソンで昼ご飯を買い,ふと情報誌コーナーに目をやると,ガラスに張り紙がしてある。
「7月7日オープン! 阿蘇ライダーハウス」
お!阿蘇にもライダーハウスができたのかぁ。場所は,阿蘇駅からは北へ5キロ程度の内牧温泉街にあるらしい。値段は1泊目900,2日目800,3泊以上は一日につき700と,なかなかリーズナブル。温泉はすぐ横にあるし,いいじゃないですか。今度来るときは是非とも利用してみよう。
さて,昼食を買って阿蘇駅に行き,バスの出発を待つ。こんな日に火口へ行こうとする人なんて,そうそういないだろうと思っていたが意外や意外,10人弱がバスに乗り込んだ。阿蘇駅から火口下の駅までは片道540円。30分程度の道のりだ。
この道は傾斜がなかなかあり,道自体が狭いので自転車で上るのは結構きつい。去年のGWに,荷物なしで上ったのだが「きつい」の一言だった。もちろん,今日この道を自転車で上っている人などいやしない。山を登るに連れて風も強くなり,台風の接近を直に感じる。
バスは草千里で10分ほど休憩。その間に写真を取りに行ったのだが,風が強い!それでも人はいるもんだ。車やバスで来ている観光客がたくさんいた。みんな結構楽しそう(!?)。
火口下の駅に到着すると,風はさらに強くなっている。こんな中ロープウェイなんて出ているのだろうかと思ったが,どうやら出ているらしい。帰りは歩いて降りてくる(火口に行くにはロープウェイか有料道路を通らなくてはいけない。ただ,有料道路の横にある歩道を歩いても行くことができる。もちろん無料)ことにして,ロープウェイに乗る。片道410円。バスと合わせると,片道1000円弱か・・・。
火口に着くと,辺りはガスっていて視界がきかない。とりあえず火口を覗いてみるが何も見えるわけではない。それでも証拠写真くらいはと思って撮っていると・・・
「ゴホッ。」
あれ,風邪でもひいたのかな?そう思うと
うーん,これは・・・
すると,アナウンスが流れてきた。「ただ今,硫黄ガスの濃度が急激に上昇し,人体に影響を与えるレベルに達しました。火口にいる方々は直ちに避難してください。ただいま,硫黄ガスの濃度が・・」
「ゴホゴホッ。」
やっぱり硫黄ガスか。隣にいた係員のおっちゃん達は急いで僕たちに移動するよう促す。ロープウェイにはツアーで来たおばちゃん集団がいたのだが,火口を見る前に集合写真を撮っていたらしく,撮り終わったときには火口は既に閉鎖。かわいそーに。
帰りは歩いて降りようとしたのだが,視界は数メートル前も見えないような状況になり,硫黄ガスもあるのでさすがに断念。滞在時間10分足らずで410円をまた払い,下へと降りることに・・・。火口の駅に戻ると,「今日のロープウェイは運休」となっていた。自分らが乗ったのが最後だったのか。ぎりぎりセーフというべきか,金の無駄だったというべきか・・・。
バスで阿蘇駅に戻ると,雨が降り出した。予報では夕方から雨だといってたけど,少しばかり早く降り始めたな。急いで買い物を済ませ,いこいの村へと戻る。台風情報をチェックすると,暴風域に入る恐れはなさそうだが,今夜一杯が峠のようだ。とりあえずひどくなる前に風呂へと向かう。ホテルの風呂は500円。温泉ではないが,なかなかいい感じの風呂だ。少なくとも昨日のアゼリアよりは数段マシ。
テントに戻り,しばらくすると雨風が強くなってきた。この感じだとちょっとやばいかも・・・。姫も心配気味なので避難することに。ちょうどすぐ側にプレハブ小屋があったのでそこを借りる。いこいの村のおっちゃんが回ってきたので避難の旨伝えると,快く承諾してくれた。よかったよかった。
その後は台風の風の中炊事場で夕食をとり,就寝。雨風共に強まってきているが,建物の中ならばへっちゃらだ。ほんと,家って凄いな。
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