'02北海道 
11日目(9/17) -雨でも出発!-

 雨の朝。昨晩見た予報では9時頃から雨だったのだが・・・。しかし今朝5時の予報を見ると「一日中雨」に変わっている。ふぅ,と2人でため息をつく。僕としては,今日は無理せずここに連泊して明日一気に鶴居まで行ってしまうという案もあったのだが,姫は「雨でも釧路まで行ってしまいたい」というので出発を決めた。

 出発は8時半。道は昨日に引き続き44号線をひたすら進むことに。44号線は,厚岸市街は歩道も広く走りやすいのだが,家が少なくなると,予想通り狭い路側帯しかないハイウェイコースに変わってしまう。

エゾリンドウ。

 しばらくは平坦な道だったが,釧路町に入る手前から傾斜6%程の登りに変わる。真横を超高速で突っ走っていく車の恐怖&坂道&雨という,悪条件が全て重なったこの坂道(しかも数qある)で,姫はもちろんのこと,僕も心底うんざりしてしまった。

 それでもなんとか耐えきって坂の頂上に到着!150メートルは登っただろうか,小さな峠クラスはある道だった。しかし,それさえすぎれば台地の上を走るだけの快適な道。雨も止んで気分よく進む。

 昼食は坂を下りる途中のセブンイレブンで,のり弁&サンドイッチ&おにぎり。カロリーにして2000lcalは下らないと思うが,それでも太らないのが自転車の素晴らしいところ!食後はしばらくコンビニ内で休憩。途中で買い物をして釧路市街地に着いたのは15時。今日はこの町に新しくできたというライダーハウスに泊まる予定だ。

 ライダーハウスとは,旅するライダーのためにということで,地元の方々のご好意で運営されている簡易宿泊施設。形態は自炊のできるところや風呂つき,布団つきの所など様々。利用料は無料〜1000円以下がほとんど。テントを持たない旅人や出逢いを求める人,雨天時の避難所としての利用など,利用者はかなり多い。もちろん,ライダー以外でも利用可能。しかし,僕は前回の旅で1度使っただけ。どうしても,無料キャンプ場があるとそっちへ行ってしまいがちだ。

 そんなライダーハウスだが,釧路市街には意外と少ない。しかし,先日physalisさんから「街の中心部に最近ライダーハウスができた」という情報を得たため,今日はそこを探そうということになったのである。

フィッシャーマンズワーフMOO。何となく寂しい感じがするのは僕だけ?それとも行った時期が遅かったのかな?

 しかし,探せどもそれらしき建物は見つからない。近くで自転車屋のおばちゃんに聞いても知らないという。それならばと,旅人がよく利用する旅館を教えてもらい,そこでライダーハウスについて聞いてみることに。

 教えてもらった旅館は市役所の近くにある「大和旅館」。かなり古い建物だが,昔ながらという感じでなかなかいい。さっそく旅館のおばちゃんに道を尋ねる。快く教えてくれたが,案の定,「お兄さん,いくらならうちに泊まってく?」と聞かれた。きたきたー。ここは交渉のしがいがあるというもの。素泊まり3500円を2500円に値切って,宿泊決定。

 荷物の運び込んだあとは,買い物に行くことに。ここからは,3日目にSOSAさんと待ち合わせをしたフィッシャーマンズワーフMOOが近いので再び訪れることにする。この間はお土産をゆっくり見たりしなかったしね。それにしても,このMOOはどこか寂れたような感じがしてしまう。とりあえずお土産を買い,いらない荷物をまとめて郵送する。

 夕食はphysalisさんから聞いた,駅前にあるお勧めのラーメン屋「海皇(HAI HUANG)」へ。カウンターが6席ほどしかない小さな店だが,味は抜群らしい。メニューはたくさんあったが,せっかくだからということで「霧ラーメン全部入り1200円(塩豚骨ラーメンに,チャーシュー2枚,豚の角煮のでっかいやつ3つ,煮卵,メンマ,ターツァイ,紅生姜がのっている)」を注文。超具だくさんのこのラーメン,スープは九州の豚骨をあっさりにしたような感じで美味しい!肉も最高!替え玉もできるのでもちろんした,というか,替え玉しないと具が残ってしまう・・・。美味しいラーメンはやっぱりいいね。姫も大満足の様子。ちなみにこの店にはもう一つ目玉がある。それは,学生が挑むことのできる大盛りラーメン。あのTV「黄金伝説」でもとりあげられたらしい。腹に自身のある方は挑戦するといいかも。僕は最近食が細くなり気味なので諦めました。さて,今日は久しぶりのベッドでぐっすり。


12日目(9/18) -最後の目的地,釧路湿原へ!-

 小雨の降る朝。それでも出発前にはなんとか上がり,9時大和旅館を出発。今日は風が強い。目的地は鶴居村の鶴居キャンプ場。ここは,去年僕が5連泊したキャンプ場で,お気に入りの場所。53号沿いのサイクリングロードを通って鶴居へ向かう。

 阿寒の方まで続くこのサイクリングロード,きれいに舗装されていて走りやすい。地元の方も朝の散歩などで結構利用しているようだ。途中アカゲラ,そしてエゾタヌキの子供2匹を見る。タヌキは道路のすぐ側で2頭そろって顔を出していた。かわいい!

サイクリングロード。かなり走りやすくてお気に入り!    天気もすっかり回復!

 サイクリングロードを途中で抜け出し,53号に合流し鶴居方面へ。まずは「釧路湿原野生生物保護センター」へ。同列の保護センターは,西表,やんばる,対馬に続き4カ所目。派手さはないが,それなりにそろった資料や本があって飽きない。ただ,今日は30分くらい過ごし,次へと進むことに。ちなみに,ここでは捕獲されたオオワシを見ることができた。でかい!かっこいい!

 次に訪れたのは保護センターから数qの所にある「釧路市湿原展望台」。ここは入場料をとられる展望台。ということで中には入らず,併設されているレストランで食事。そのあと展望台の周りに設置されている木道を歩く。一周40分ほどのコースで,一番奥にはお金を払って展望台から見るよりも景色がいいと本に書いてあった「サテライト展望台」がある。その眺めはというと,川の蛇行を見ることはできないが釧路湿原の広がりを感じるには十分で,それなりといったところかな。ただ,僕はこれを見ただけでは満足できないな。

 ここで釧路湿原について少し紹介。みなさん名前は聞いたことがあると思うが,この釧路湿原は国立公園に指定されていて,公園に指定されている面積は26861ha,そのうち湿原面積は約16000ha(といっても想像できませんよね,かなりの広さです)であり,国内1位の湿原面積を誇っている。そこでは哺乳類26種,鳥類約175種,昆虫類約1150種,両生・爬虫類9種,魚類35種,植物約600種が生息している野生の宝庫。代表的なものを挙げようとしてもタンチョウ,キタキツネ,エゾシカ,キタサンショウウオ,イトウ,エゾカオジロトンボ,・・・など限りがない。川の蛇行の有名さは言うに及ばず,季節ごとに姿を変えるこの湿原は「閉館のない博物館」とも呼ばれている。

コスモス香る道。

 そんな釧路湿原は,開発による環境破壊や観光客のマナー問題などで危機的状況にあることも確か。実際に訪れた際には,湿原の素晴らしさを体感するのはもちろんのことだが,それを取り巻く諸問題から目をそらしてはならない。

 さて,湿原展望台を出たあとは一直線に鶴居へ向かう。しかし,この53号は鶴居までに幾多のアップダウンがあって,予想以上に時間がかかる。途中センターポールのあるところ(もちろん歩道はない)は冷や汗もの。44号よりは交通量が少ないのでマシだが,それでも走って楽しい道とは言い難いものがある。

 写真を撮りつつ,鶴居村に着いたのは15時過ぎ。中心地にはAコープとコンビニ,温泉,食堂などがある。買い出しを済ませ,キャンプ場へ。

 サイトはすでにかなりのテントで埋め尽くされていた。ざっと20張りはあるだろう。旅人の減るこの時期に,特にイベントがあるわけでもない(週末には村祭りがあるようだが)このキャンプ場がこれだけ賑わうとは,やはり人気があるのだろう。とはいえ,ここは広いのでまだまだ十分に張ることができる。すぐ側には小川も流れていてウグイならたくさん釣れるし,温泉は近くに二つ,Aコープからも1qくらいなので立地条件もよい。使用料は無料。

 温泉はキャンプ場から歩いていける「つるいグリーンパーク」と,ちょっとだけ離れたところにある「湿原温泉」の二つがある。後者の方がやすいのだが,前者の方が近いので僕はグリーンパークの方にしか行ったことがない。今日もグリーンパークへ。500円。

サテライト展望台より。でもこれでは湿原ぽくないかな?    ナイスな看板ですな。

 湯の温度は低め。特に露天は40度以下だろう,ぬるいのでゆっくりとつかることができる。しかし,それでいて上がった後はぽかぽかとする泉質。姫はかなり気に入ったようだ。あとは,タンチョウの有名な鶴居ということもあってか,温泉内にも野鳥の会の会報誌が置いてあったりするのはちょっと嬉しいかも(僕は野鳥の会には入ってないけど)。

 夕食はジンギスカン800gにうどん3玉&ごはんと大量!「動いているからいくら食べても大丈夫!」と思ってはいるものの,そろそろやばいかなあ・・・。


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