4時半起床。曇ってはいるが,空を見ると回復の傾向にあることがわかる。早めに朝食をとり,近くの林道まで朝の散歩に行くことに。狙いはエゾライチョウ。
クマゲラも出るらしい林道だが,見られたのはゴジュウカラ,シジュウカラ,ヒガラ,コガラ,ハシブトガラ,エナガ,アオジ,カワラヒワ。亜種シマエナガは全体的に白っぽく,顔を正面から見るととてもかわいい。目的のエゾライチョウやクマゲラは見ることができず,残念。
テントに戻り,5泊した根室市キャンプ場を発ったのは9時前。今日は厚岸が目的地。牡蠣が有名な厚岸,今日も海の幸が楽しめる!
ルートは根室に来るとき通った国道44号を戻るという単調なもの。工事は相変わらず多く,路側帯のほとんどないところを100q近いスピードでかっ飛ばされるのは非常に不快だ。自転車がいるのは見えるんだろうから,せめてすれ違うときくらいはスピード落としてくれても良いのにと思うのはチャリダーのわがままだろうか?
そういう人たちは,きっと「歩道もないところを走っている自転車が悪い」,「遊びに来ているやつにそんなこと言われたくないよ,こっちは仕事しているんだぞ」,「自転車で旅なんかしている方がおかしいんじゃないの?」とか思っているんだろうなあ。もしくは自転車なんて気にも留めていないかのどちらかだろう。ドライバー全てがそういう人でないのはわかっているが,自転車で旅をしていると「車だったら楽だろうなあ」と思うよりも「車なんて絶対乗るもんか!」と感じることの方が多い。車を全否定する気は全くない(生活するために必要な人もたくさんいるのは僕だってわかる)けど,自転車旅行をしていると「車第一主義の国」をいやというほど実感するのはつらい。
さて,そんなことを考えながら走っていると11時に厚床到着。昼食をとって更に先へ。残りはあと3分の2。同じような道を走るのは正直楽しくないが,そんな気分も快晴の中走ればどこへやら,爽快に進む。
途中厚岸の水鳥観察センターで小休憩をし,道の駅に着いたのは16時。ここは道の駅内の物産展で買ったカキなどを,その場で焼いて食べることもできる。ちょっと休んだあとは近くのポスフールに移動し,夕食のおかずを買う。今日は豪華に牡蠣,ホタテ,カルビ。あと忘れてはならないのがビールね。そう,今まで触れていなかったけれど,ここ北海道には沖縄のオリオンビールのような存在(?)の「サッポロクラシック」がある。麦芽100%の北海道限定ビール。値段は普通のビールと同じだが,味は間違いなく最高!こっちに来て僕らが飲むビールは全てそのクラシックだ。
厚岸の中心地からキャンプ場までは約5q。この町は「市」といっても良いくらいの規模で,なかなか大きい。
キャンプ場に近づき,ふと横の山を見ると30メートルくらいの距離にエゾシカが2頭。そう,この町はシカが多いのだ。道の駅でも見かけたし。そうこうしているうちに到着。「筑紫恋キャンプ場」は210円で,コインランドリーとバンガローを併設している。先客は郡山から来たライダーさん。今日は帯広から釧路湿原を回ってきたらしく,これから行く予定の釧路湿原について色々と話を聞く。ただ,その中には「釧路湿原で事故ってくしゃくしゃになっている自転車を見たよ。」という悲しい話もあり,気を引き締める。事故だけはしないようにしないと。
そんな話をしていると日も落ち,辺りが闇に包まれた。すると,サイト内にお客さんが。それはエゾシカの群,その数10頭。テントのすぐ近くにまで現れて,ちょっとびっくり。でも,旅人には嬉しいお客さんだけど,地元の人にとっては厄介なだけかもね。シカによる食害,この辺りは結構ひどいのかもなぁ。
さて,今夜のおかずはさっき買った牡蠣,ホタテ,カルビだ。そんなに食べられるの?と思うだろうが,そこはお腹をすかせたチャリダーにお任せを。牡蠣は生と網焼き,ホタテはバター焼き,カルビは味つきなのでそのまま焼く。どれも美味しい!(姫は「贅沢だけど,食べ慣れているカルビが一番美味しい」と言っていたが・・・。)久しぶりに走った疲れとぜいたくな食事,最高のビールに酔いしれて眠りに就いた。今日の走行距離は81q。
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