| 7日目(9/13) -ようやく春国岱へ- | ||||||
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予想通り晴れの朝。風はないがひんやりとした空気が心地よい。しかし，残念なことに蚊は減ってくれない。ここの蚊は一体何度まで耐えることができるんだ～。今日は予定通り春国岱（しゅんくにたい）へ。 ここで，春国岱について少し紹介。「春国岱とは，数千年の時間をかけて知床方面からの海流が運ぶ砂が堆積した，３列の砂丘からできています。長さは約８㎞，最大幅は１，３㎞，面積は約６００haあり，海岸草原，湿原，森林，干潟など多様な自然環境と，砂丘の年代形成による植生の違いなどを見ることができます。野鳥の宝庫としても知られ，これまでに約２５０種の野鳥が記録されています。（根室市発行の春国岱原生野鳥公園ガイドより抜粋）」 
そんな春国岱へ，根室のキャンプ場からはわずか５㎞！朝早くの鳥見も楽にできる。しかし今日はゆっくり出発。８時過ぎに春国岱へ。潮は満ちていて，遠くには大量のアオサギがいる。その数，ざっと見ても数百羽。まさに圧巻。 さて，この時期の春国岱では恐ろしいことがある。それは， 「蚊」 である。春国岱ネイチャーセンターのＨＰにも「この時期は蚊が多いので対策をしてからおいでください」と書いてあり，ある程度予想はしてきた。しかし，実際には想像を超えていた。 キャンプ場の数倍はいるに違いない，５０近い蚊が身体にまとわりついてくる。歩いていても服にくっつき，服の上から攻撃，立ち止まろうものなら一瞬で総攻撃を受けてしまう。木道に入るとその数は増し，止まって鳥見どころではない。蚊の大嫌いな姫はこれだけで帰りたそうな顔をしている。虫除けスプレーしてもあまり効かないし。 それでも鳥を発見したらスコープを覗いてみる。トウネンを見て，いよいよ春国岱の林へ。林といっても木道が整備されていて（途中朽ち果てて通れないところもあるが），それ以外へは許可無しには入れない。 森の中はいい感じなのだが，時間が遅いせいか見られるのはヒガラのみ。半分くらい進んだ所でアカゲラを数羽見ることができた。あとはクマゲラのドラミングが遠くに聞こえる。姿はというと，カラスのような鳥が森の中を突っ切っていったのは見えたのだがクマゲラと確認することはできず残念。 コースの７割を歩き終えて成果は以上・・・。「今日は駄目かなあ」そう思った帰り道，カラの混群に出くわした。かわいいゴジュウカラにヒガラ，ハシブトガラ，キクイタダキ，アカゲラ，オオアカゲラ。そしてキバシリ！キバシリはうれしい初ヒット。森を出たあとは数十メートルの距離でタンチョウも見ることができ，少しは満足。 
その後はこの間行けなかったネイチャーセンターへ。レンジャーのフクちゃんと話をし，渡り鳥の情報などをいただく。あとはセンター内でのんびりと。特に，「野鳥パズル」にははまってしまった。表と裏の両面に絵が描かれ（夏鳥と冬鳥が描いてある）ている難解パズル。ぱっと見は大したことなさそうなのだが，いざやってみると苦戦。姫と２人がかりで「あーでもない，こーでもない」と数十分悪戦苦闘した。ご褒美に野鳥シールをゲット！ 昼前までのんびりと過ごし，昼からはセンターの側にある小鳥の小道コースをぐるりと回ってみる（一周1.4㎞）。しかし，昼という時間とこの季節ということもあって鳥はほとんどいない。エゾシカの足跡とゴジュウカラが見られたくらい・・・。 その後はちょっと早いけどキャンプ場に戻り，市街地へ。今日の風呂は市街地にある「寿湯」。ここは，２階にエスカロップが美味しいと評判の喫茶店「薔薇」がある。とりあえず風呂に入る。３７０円。このお湯は市内の銭湯の中で最も熱い湯らしく，熱いのが苦手な人にはとてもではないが入れる熱さではない。ただ，ここはコインランドリーがあるので結構便利な銭湯。 風呂から上がって洗濯をしていると時間はもう１７時。お腹もすいたことなので，洗濯物を乾燥機にかけている間に薔薇で食事。店内は落ち着いた雰囲気でいい感じの喫茶店。僕は丸特エスカ１２００円（エスカロップ２人前），姫はミックスエスカ８５０円（えび＆カツのエスカロップ）を注文。 この間も書いたが，エスカロップとはバターライスの上にトンカツを載せ，その上にデミグラスソースをかけた根室の名物。ただ，この店はトンカツ以外にもエビフライを載せたりと，店によってその形態も違うらしい。 しばらくして出てきたのは・・・確かに２人前のエスカロップ。まあ，お腹をすかせたチャリダーにはこれくらい余裕でしょう。さて，そのお味はというと， 道の駅で食べたものとは比べものにならないほど美味かった。 ピラフのようなご飯に肉汁たっぷりのトンカツ，そしてその二つを上手くまとめ上げるデミグラスソース。お腹をすかせていたこともあるだろうが，そうでなくてもこのエスカロップは絶品だ！これを食べに来るだけでも根室に来る価値はある。姫の方はというと，こちらも美味しかったようだ。特にエビフライがプリプリッとしているらしい。ただ，一つ惜しいところは，「量が少ない」ということ。男なら迷わず２人前を注文したいところだなぁ。 
食後は，店内に置いてあったフクロウの図鑑を姫と一緒にずっと見ていた。２人で「かわいい～！」など言い合っていると，おばちゃんとおっちゃんがこっちを見て何か話している。店内には僕らしかいなかったので「早く出た方がいいのかなあ」と思いつつも写真に見とれてしまい３０分ほど図鑑を見ていた。 会計を済ませて店を出ようとしたとき，おっちゃんが発した言葉は・・・ 「フクロウの声は聞いたかい？」 意外な言葉にびっくりする僕ら。話をしてみると，このご夫婦は鳥屋の方々に知り合いが結構いるらしく（それも，梟の図鑑を書いている方々），ご自身も結構鳥見をしているらしい（おばちゃんが最初にはまって，おっちゃんもつられて見ているというような感じ）。さっき僕らの方を見て何やら話していたのは，フクロウの図鑑を見て騒いでいたのに対し「うるさいから早く帰れ」ではなくて「あのお客さんも鳥が好きなんだねえ」だったのだろう。根室の自然や鳥のことについてしばらく話をし，店をあとにした。意外や意外，この「薔薇」はエスカロップが美味しいだけではなかった。まだ根室には滞在するから，もう一度ここに来ようと２人とも即決。ちなみに薔薇は月曜定休。場所は「二階が喫茶店の銭湯はどこですか？」と道を尋ねれば教えてもらえるだろう。 帰りは１８時を回ったのですっかり暗くなってしまい，ちょっと失敗。ゆっくりテントに戻り，気持ちよく就寝。 今日見た鳥 | ||||||
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| 8日目(9/14) -よく歩いた一日- | ||||||
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曇りの朝。今日も風はなく，ひんやりとしている。予報は曇り時々晴れ。７時出発で昨日と同じく春国岱へ向かう。今日は先にネイチャーセンター横の「小鳥の小道コース」から行ってみる。・・・しかしゴジュウカラのみ。そのあと森の中へ。まずはエゾシカ２頭のお出迎え。しかし時間が遅かったのか鳥の方はさっぱり。ぐるっと森を見たあとは海岸に出て砂州の先端まで行ってみることに。砂州の先端までは片道８㎞。春国岱では，すでにシギチの渡りは終盤らしく，代わりにカモが入ってきているらしい。 それにしてもここは蚊が多い。ハマナスロードは森の中以上の数。走っても振り切ることはできない。「それなら砂浜に出ればいないだろう」，そう思って砂浜にダッシュ！５０匹以上の蚊を引き連れ砂浜に出る。そして，そこで身体にまとわりついている蚊を打ち落とし，ほっと一息。姫は疲れとのダブルパンチにKO気味。 
キョウジョシギ，キアシシギ，トウネンを見ながら先へ進むが，やはりシギチの渡りは終わりなのか，数は少ない。 出発が遅かったため先端に着く前に昼となり，空模様も怪しくなってきたので途中で引き返すことに。ちょうど数㎞先にクロガモの群を見つけたのでそこで昼食。それにしてもかなりの数（１０００＋）だ。姫はその群の中からビロードキンクロを発見。あとはアジサシが近くを飛び交い，ヒシクイが１０羽くらいで編隊飛行をしていた。 しばしの休憩の後，来た道を戻り始める。雲がすぐ側まで迫り，帰り着くまでには降り出しそうな気配。そんな中で見られたのはトウネン，ミユビシギ，エリマキシギ。 そうこうするうちに雨が降り出した。雨具を持ってこなかったのでずぶ濡れになりながらネイチャーセンターへ。ここで雨が止むまで休憩することにした。レンジャーのフクちゃんに今日の成果を話すと，この時期としてはなかなか見ることのできた方だという。もう少し時期が遅ければガンカモ類が増えるようだ。 雨はなかなか止む気配がなく，センター内にある資料を読んで過ごす。すると，フクちゃんが何やら差し入れを持ってきてくれた。カラフトマスのフライだ。美味しい差し入れに大感謝。そのあとは雨上がりに出てきたエゾシカをセンター内からスコープで見て，もう１人の景山レンジャーとチョコエッグについて盛り上がり，閉館時間の５時を回ったところでセンターをあとにした。それにしても今日はたくさん歩いて疲れた一日だった。出発時にテントに干しておいた洗濯物は全部濡れてしまったし・・・。 
今日見た鳥 | ||||||
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