'02北海道 
5日目(9/11) -蚊の多い根室キャンプ場-

 朝起きるとテントの外はまたもや濃霧。昨日は運が良かっただけなのか?それとも3泊して晴れたのが1日というのが単に悪運なだけ?テントを乾かす事はできそうにないので諦めて濡れたままたたみ,チャリダーに別れを告げて7時出発。今日は昨日の予定通り根室まで。

 橋を渡ってすぐ右へと曲がり,国道44号へ向かう。しばらくは平地の走りやすい道が続くのだが,44号へ行くには(というか,ここから先へ進むには)根釧台地という数十メートルの台地に登らなければならない。坂自体はそんなにきつくないのだが,ここ数日荷物なしで走っていたのでちょっと疲れてしまった。

 国道44号は釧路と根室を結ぶ国道。基本的に歩道はなく,まるで高速道路のよう。・・・ということは,トラック同士がすれ違うときは注意が必要。トラックが横を通り過ぎたあとにやってくる「トラック風」で吹っ飛ばされそうになることもしばしば。あと,工事も相変わらず多くてちょっとうんざり。それと,一本道ってのも変化がなくてちょっと・・・。途中道路脇にタンチョウを見ながら,休憩を交えながら,姫の機嫌が悪くなりながらも11時半には根室の道の駅「スワン44根室」に到着。去年から「この44ってなんだろう」と思っていたのだが姫に「そんなの44号線の44でしょ?」といわれ,アホ丸出し。あはは・・・。

霧多布湿原と別れていぜ根室へ!

 根室では次の日曜に市長選が開かれるとあって候補者の演説が賑やか(といっても二人しかいないんだけど)。道の駅ではおばちゃんとしばらく立ち話をして(話が長すぎて姫の機嫌はさらに悪くなってしまった。ごめんなさい。)昼食。ここで食べたらおいしくないのはわかっていたがエスカロップ800円を注文。実は,去年訪れた際にはどうも食べる気がしなくてパスしたため,僕も初めてなのだ。

 バターライスの上にトンカツが乗り,その上にデミグラスソースがかかった根室名物のエスカロップ,道の駅で食べたその味は,「いまいち。」なんだかぱっとしない。やはりこれは根室市街で食べないとね。physalisさんやミヅタニさんから美味しい店の情報をいただいているのでそっちに期待。

 道の駅からキャンプ場までは8キロほど。途中に春国岱ネイチャーセンターがあるのだが今日は休館日。その近くでは50メートルほどのところにタンチョウを見る事ができた。やはりタンチョウはでかい,隣にいるアオサギと比べるとそれが良く分かる。

 キャンプ場についたのは13時過ぎ。ここは蚊が非常に多いキャンプ場。隣に沼があるのが一つの原因か。白くて数cmもある蚊が10匹以上の大軍で襲いかかってくる。ここでは,長袖長ズボンは絶対着用,虫除けスプレーもしくは蚊取り線香もないとやっていけない。なにせ,服の上からでも刺してくるという恐ろしい蚊なのだ。それでも,僕にとっては北海道,いや日本有数の探鳥地である「春国岱(しゅんくにたい)」まで5キロという近さにあるこのキャンプ場が結構お気に入り。市街地までは10キロもあるけどね。

 テントを張った後はその市街地に向けていざ出発。買い出しはもちろんのこと(小さな商店はすぐ近くにあるけど)銭湯も街へ行かねば入ることができない。

 根室の町は坂が多い。市街地まででも5つ以上のアップダウンが待ち受けている。ゆっくりと進み,1時間後に街に到着。とりあえずは銭湯へ。公衆浴場が5つほどあるのだが一番近いところへ入る。370円。豪華な温泉も悪くないけど,街の銭湯もいい味出してるよね。

至る所に同様の看板が。  夕方、ある丘にて。

 買い出しはサティ,もとい,名前が変わったポスフールで。ここ根室でまず食べたいものはといえば「サンマ!」。僕はサンマが一番の大好物。迷う事なく生サンマとサンマの寿司を買う。あとはカマンベールチーズ。こっちでは定価の半額くらいで買えるとうのが素晴らしい。でも,こんなのばっかり食べていたら福岡に戻ってベビーチーズとか食べられなくなるんじゃないだろうかと本気で心配。

 そうそう,あとはお酒。根室で作られているという銘酒「北の勝」は出発前にネット上で是非ともと進められた一品。根室には5泊するつもりなので大量に買い込み,キャンプ場に戻る。

 さて,夕食のお味はというと・・・サンマの寿司は絶品!これが今まで食べていたサンマ?と本当に思ってしまうほどの味。脂ののり具合が凄い!生サンマはこの間釧路の百均で買った網を使って焼いたのだが,いまいち上手く焼く事ができずに失敗。残念だ。それにしても脂の乗り具合には驚かされる。あとは北の勝。日本酒が最近飲めなくなってきている僕でもすんなりと口に運ぶ事のできる飲みやすさ。これはみんなが旨いというのも頷ける。さて,天気が良ければ明日はいよいよ春国岱!走行距離は79キロ。


6日目(9/12) -予報はやっぱり当てにならない-

どこまでも続く道は北海道ならでは。  昨日の期待も虚しく朝から雨。予報は「晴れ時々曇り」なんだけど・・・。とりあえず雨が弱まったら春国岱へ行く事にし,まずは昼食を買いにセイコーマートへ。しかしセイコーマートへ行くということは市街地へ行くということ。雨の工事区間を必死で通ったあとようやく到着したのだが,雨の方はそんな僕らにお構いなく降り続けている。駐車場にいたライダーさんも雨が上がるのを待っているそうだ。

 「雨が止むまでここにいよう」ということでセイコーマートの中で雨宿り。しかーし,なかなか止んでくれない。結局それだけで2時間近くが経過してしまった。今から春国岱に行くのは面倒だ。二人が出した結論は

本土最東端の納沙布岬にて。

 「納沙布(のさっぷ)へ行こう!」

 本来なら天気のいい日に行きたいのだが,まあ仕方ない。時間はまだあるし,なんとかなるでしょう。最東端の納沙布岬へはオホーツク海側からのアプローチ。今日は珍しく追い風に運ばれてかなりのハイペースで進む。とはいっても僕らの進むペースは周りから見たらかなり遅い。いい景色があればすぐに立ち止まって写真を撮り,怪しげな鳥を見つけたらまたすぐに止まって双眼鏡をのぞく。道中寄り道ばかり。でも,そういうのができるから自転車はいいんだよね。バイクや車では,すぐには止まることはできない。一瞬の美しい景色や変化を逃さずキャッチすることのできる自転車の素晴らしさを感じつつ,納沙布岬へ向かう。徒歩ならもっといいんだろうけどね,自転車でも色々と見逃すことはあるし。

 岬到着は13時前。今日も意外と観光客が多い。去年は人の多さと悪天候にうんざりして写真も撮らずに立ち去った納沙布岬。今回はとりあえず記念写真を撮る。岬自体は宗谷岬と同じで,ただの観光地。景色もこれといったことはないけど,ここが最東端だから人は集まるんだよね。冬にはここから鳥が見放題らしい!次来るときは冬に決まり(!?)

数は少ないけれど過激な看板も見られる。

 さて,写真を撮った後は物産品店に入る。鉄砲汁(花咲ガニの入った味噌汁)をただで配っているところがあったので,そこで昼食をとることに。僕は三食丼1500円,姫はかにラーメン850円を注文。高いけど今回は贅沢にいこう。三食丼はいくら,カニ,鮭が入った丼で結構おいしかった。MOOで食べた鮭の親子丼なんかよりはずっとマシ。ただ,姫のかにラーメンは失敗だったみたい。やはり,麺類はちゃんとしたところで食べた方がいいんだろうね。

 土産屋では姫とおそろいの「エトピリカストラップ」を購入し,あとは昆布の試食とかをたくさんして出発。帰りは向かい風気味だったが,ちょこちょこと休憩をしながら走る。相変わらずのアップダウンには少々うんざりさせられたが,それでも雨が降っていないよりはマシか。途中何人ものチャリダーとすれ違う。キャンプ場には来ないけど,やはり納沙布には結構来るんだなあ。それにしても,みんながみんな半袖に短パンだった。暑がりの僕でも今日は肌寒いと感じる日,「寒くないですか?」って聞いたら「大丈夫ですよー」と返ってくるけど,本当に寒くないのかなあ?買い出しは昨日と同じポスフールで,ジンギスカンとサンマ(今日は刺し身)を購入。

オホーツクに消えゆく太陽。

 帰りがけには丘の上から素晴らしい夕日も見ることができて,大満足。おまけにキャンプ場の前ではキタキツネも。最近病気でキツネの数は減っているらしく,それもあってか僕はこれが初めて見るキタキツネ。でも,それは運が悪いだけか・・・。

 夕食はさっき買ったジンギスカンとサンマの刺し身。これは両方とも旨かった!姫には初めてのラム肉だったみたいで「微妙」という顔をしていたけどね。あの臭さに慣れると美味しく感じるようになるんだよなぁ。さあ,夕日も拝めたし明日こそは晴れるはず!ようやく今回一番の目的地「春国岱」に乗り込むぞ!今日の走行距離は68キロ。


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