沖縄の旅
11日目(3/11) -出会い- 

 朝から曇り空。鳥見に出かけるが,途中でパンク。釘が刺さった。昨日も池間島に行く途中で釘が刺さってパンクしたのだ。 何だかやる気が急になくなってしまい,食糧の買い出しをしてテントに戻る。前浜に着くと,昨日は気配がなかったテントに人がいる。 三線を持ってヒッチハイクで旅をしている19歳の青年だ。もう沖縄は4回目だとか。以前はキックボードで来たこともあったらしい。 一人旅専門で,北海道へも高校の頃から旅しているらしい。かっこいい青年だ。ここで,色々と貴重な旅情報を頂いたり,一人旅について語り合ったり, 彼の三線を聞かせてもらったり。集団で来ている旅人とは,そこで世界ができあがっているため,なかなかこういう風に接することはできない。

 途中,酔っぱらった女子高生に二人して絡まれたりもしたが,それ以外は特にこれといったことはなかった。 ただ,テントの近くで地元の兄ちゃん達とさっきの女子高生が昼間から酒を飲んでるらしい。治安はよいとはいえなそうだ。 しかも,三線の彼は予定が変わって今日ここを出ると言う。夜は一人になってしまった。 ちなみに,前浜のすぐ横は小さな港のようになっていて,夜になるとそこへ島の暇な連中が車で暴走しに来る。 思いっきりドリフトをかまして去っていき,島を一周したのだろう,しばらくするとまた戻ってきてドリフト。 まあこちらに危害を加えるようなことはしないと思うが,嬉しいものではない。そんなこともあって夜はあまり眠れず。


12日目(3/12) -のんびりにはもってこいの宮古島- 

 朝から雨。睡眠不足ということもあり,午前中はのんびりと片づけをして,15時にテントをたたみ,平良港へ。風は相変わらず強いが,天気は回復してきた。 港へ着くと有村産業で乗船券を購入。待合室はないかと尋ねるが,ターミナルは朝4時頃からでないと開かないという。 もし夜中も開いているのならば今夜はそこで過ごそうと思ったが,残念。 昨日三線の彼から聞いた話では,港周辺はこの島で一番治安が悪いという(まあどこへいっても港は治安が悪いものだが)。 とはいえコンビニで徹夜するのもつらいので結局港近くにテントを張って仮眠。これで宮古島は終わり。明日からは石垣島だ。


13日目(3/13) -伊野田のキャンパーたち- 

 朝4時に起きて港へ。出航は6時だ。ところで,本土から沖縄の主要な島(本島-宮古-石垣)を結ぶフェリー会社には琉球海運と有村産業の二つがある。 どちらも船代は変わらないのだが,船の豪華さが全然違う。最低限のものしかなく,とてもきれいとはいえない琉球海運と, 部屋にトイレやシャワーまでついていて内装も豪華な有村産業。同じ金払うなら当然有村というところなのだが, 私としてはむしろきれいすぎて居心地の悪さを感じから一目でわかる)キャンパーが結構多い。 テントサイトは意外とあると思うのだが,石垣島にもう一つある米原キャンプ場はこの時期まだ開いていないために伊野田に集中しているのだろう。

 とりあえず管理棟へ行って気さくなおばちゃんに金を払う。1泊250円なり。あんまり隅っこの方も嫌なので,炊事場近くの長期滞在者の方たちのすぐ側に張ることに。 彼らには,「夜はうるさくなるよ。」と言われたが,大丈夫だろう。炊事場には,彼らの調理用具や雑誌なんかがたくさんあって,いかにもここで生活しているといった雰囲気。 慣れていないと,なかなか近寄りがたいかもしれない。とはいえ彼ら(といっても私より年上の人しかいないが。 20代半ばから上の人ばかり)もみんな一人旅の連中で,ここで知り合ってわいわいやっているのであって,私が加わってもなんてことはないのだが。

デイゴ  テントを張って時計を見ると,日没までにはまだ時間がある。ちょっと散策ということで北の方へ向かってみることに。 すると,つい先ほど見たばかりなのに,またもやヤツガシラが。しかも今度は2羽。贅沢ではあるが,何だかありがたみがない。 しばらく観察してから北へ進む。辺りは牧草地に牛,サトウキビ畑といった景色でのんびり走るには最高。満足してキャンプ場に戻る。

 夜は,先ほどキャンパーの兄ちゃん達が言ったように,炊事場の近くに10人くらいが集まって酒盛りをしている。 私もすぐに加われば良かったのだが,そのタイミングを逃してしまい(というか入りづらかっただけか),しばらく一人でいた。 しかし,せっかくすぐ側で皆が集まっているのに加わらないというのは嫌なので,思い切って輪の中に入れてもらうことに。 彼らは快く(というか普通になのだろうが)私を加えてくれた。そして色々な話を聞く。

 彼ら自身の話,この島や北海道の話(なぜか南へ行くと北海道の話が,北海道へ行くと沖縄の話がよく出てくる。 しかも,その話で盛り上がることになることが多い),旅情報,などなど。一般的,社会的には「どこかはずれてる人間」なのかもしれないが, 私にとっては魅力的な方ばかりだ。やはり輪に加わってよかった。北海道へ行けば,このような風景は多くのキャンプ場で見られるらしい。 夏休みが待ち遠しい。やはり,旅は一人,もしくは少人数に限る。


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