九州干潟巡り

2日目(9/19) 曇→晴 -万之瀬川へ- 26km

 7時起床。今日は万之瀬川へ行く予定だが,鹿児島市から万之瀬川のある加世田市へ行くには峠を越えるか遠回りをするかといった方法しかなく, 輪行をするにしても現地までは結構距離がある。どうしようかと話していると,姫のご家族が, 加世田の海浜公園までドライブがてら連れていってくれると言ってくださったのでお言葉に甘えることに。 自転車二台をトランクに詰め込み出発。県道20号線経由で峠を越えたが,確かに自転車では結構きつそうだった。 傾斜自体はそれほどでもない気がするのだが,路側帯が狭いのでどうしようもない。加世田市の海浜公園に着いたのは10:30。 ご家族と別れた後は昼食を買いに一旦公園を出る。 ついでに周辺をチェックするが,そのとき姫が言った。

 「後輪の振れがひどい。」

 スポークをチェックしてみるが異常はなく,ホイールが外れかかっているということもない。 原因が分からないので(この時点で気づかなかっただけなのだが・・・)様子を見ることにして再度海浜公園へ。 砂浜へ出ると波打ち際にミユビシギ4羽にチュウシャクシギ1羽。沖を見やると怪しげな雲が接近中だったので急いで戻り, 公園内にある野鳥観察小屋へ行ってみる。中はクロツラヘラサギをはじめとした写真が沢山かざってある (知っている方のものもチラホラと)。言い忘れたが,ここ万之瀬川はクロツラヘラサギやシギ・チドリをはじめとする野鳥の宝庫。 更にハクセンシオマネキやハマボウなども有名で,九州にいる間に一度は訪れてみたかった地。 特にハクセンシオマネキの大群を見てみたかったのだが,今日は潮の時間が合いそうにないので観察小屋のおばちゃんと少し話をした後は河口へ移動。

観察小屋の中は写真が一杯! 万之瀬川河口の干潟。向こうに見えるのはサンセットブリッジ。

 干潟の見える休憩場所があったので,自転車を止めて軽く鳥をチェック。ダイゼンやソリハシシギの姿が見えた。お腹が空いていたのでとりあえず昼食をとり, 一息つく。そしてもう一度鳥をチェックしようと思い,スコープを覗くと・・・。

 目の前にはヘラシギが!

 万之瀬川ではヘラシギの観察例が多いようなので少しは期待していたが,突然の出会いに驚き,声が裏返ってしまった(いつものことか・・・)。 ヘラシギ,僕は去年福岡で見ているが,姫は未だ見ぬ鳥。数日前,福岡でヘラシギ研究者の報告会を開いたばかりだったこともあり,二人して一気にハイテンションに。 干潟に降りてみると,そのフカフカさにもびっくり。ガチガチの和白干潟などとは比べものにならない。 シロチドリ50+,ダイゼン15+,ソリハシシギ20+,ミユビシギ10+,トウネン10+,キアシシギ2,オオソリハシシギ1,チュウシャクシギ5+と, シギチの種類・数もなかなかのもの。何より環境が良い。目の前まで近づいてくるヘラシギの可愛さはいつまで見ていても飽きなかったが, 気がつけば既に14:30。後ろ髪を引かれる思いで万之瀬川を出発。

ヘラシギ。 目の前まで来てくれました!

 ここから姫の家までは,海岸沿いに続くサイクリングロードを30kmほど北上し,そこから輪行するというもの。サイクリングロードはちょっとしたアップダウンや,台風通過後の落ち葉などがあってそれほど走りやすいとはいえないが,まあそれなりに快適。でも,サイクリングロードってやっぱり微妙。廃線跡を利用するとかならまだ良いが,新しく整備する必要なんてあるわけない。もちろん,このサイクリングロードはお金のある時期に使い道がなくて造ったのだろうけど。

 そんなサイクリングロードを10kmほど走ったところで姫が言った。

 「振れが急にひどくなった!」

 確かに,パッと見でも思いっきり振れているのがわかる。これは・・・タイヤがバースト寸前!姫がはいているタイヤは,パナレーサーのハイロード26x1.5。安くて軽い良質のタイヤだが,薄さは欠点かもしれない。既に数1000km走っていたこともあり,サイドが破れて中のチューブがはみ出している。

 しかし,近くに自転車屋はない。駅もない。ヒッチハイクという手もあるが,姫がご家族に電話して近くまで迎えに来てもらうことになった。国道に出るまでの約2kmの道のりを自転車を押して歩き,車で鹿児島市内へ。出発前にちゃんとチェックしてくればこのようなことにはならなかったわけで,申し訳ない気持ちでいっぱいだった。帰り際に鹿児島大近くのプロショップ「ちゃりんこ屋」でニンバスアルマジロを購入。今夜も美味しいご飯をごちそうになり,11時過ぎ就寝。

まだまだ真夏の雲模様。
<万之瀬川河口> 13:00-14:30
シロチドリ(50+)
ダイゼン(15+)
トウネン(10+)
ミユビシギ(10+,4)
ヘラシギ(1)
キアシシギ(2)
ソリハシシギ(20+)
オオソリハシシギ(1)
チュウシャクシギ(5+,1)
など

前頁 次頁