タイ 
14日目(3/15)晴 -移動日-
スコータイまでの幹線道路。市街は片側3車線。

 6時起床。今日はスコータイ(Sukhothai)までの移動日なので早めに荷物をまとめ,昨日の食堂と反対側にある,同じスタイルの食堂で朝食をとり,9時前出発。スコータイまでの道のりは,ピッサヌローク中心部を走る12号線をひたすら直進するだけなので迷う心配はいらない。

 ピッサヌローク市街を抜けるまでは路側帯が広いので恐怖感はそれ程ないのだが,交通量が多く片道3車線の広い道が続く。道路沿いには店もたくさん並び,楽しくはないが走るのには困らない。市街を抜けると工事区間が現れ,それと同時に道も片側一車線となる。交通量は少し減ったが,車のスピードは100km/h くらいなので,ぶつかったらアウトだろうなあ。 スコータイへ続く道の途中。幹線道路のすぐ横にもこんな川が。

 淡々と走り続け,11時前に道沿いの食堂で昼食(バミーナームとかき氷)。バミーナームのおいしさは毎度のことだが,ここで特に美味しかったのはかき氷の方。パームやマンゴーなどが敷き詰められたかき氷,その冷たさと甘さが疲れた体に浸透する様を体感!店にいたおばちゃん達は,僕らが「アローイ(美味しい)!」を連発していたのを見て(他に言葉知らないからね・・・)かなり喜んでいた。

 大満足で店を後にし,その後も休憩をちょこちょこ入れながら直進を続ける。気温は違えど,どことなく北海道は釧路−根室間の国道44号線のような道路に,ふと去年の北海道旅行を思い出したりも。途中分岐があってちょっと迷いもしたが,看板どおりに進み(結局,そこはどっちへ行っても問題なかったんだけど),14時前にスコータイ到着。 NO4 GuestHouse。鳥が寄ってきそうでしょ?(あと蚊もね・・・)

 街の規模はそれ程でなく(10万人規模かな?),ちょうどいいくらい。街巡りが楽しそうなところだが,とりあえず荷物を降ろしたいので,まずはゲストハウス。ここスコータイには安くて質のいいゲストハウスが多く(もちろんリーズナブルなホテルもたくさんある),ロンリープラネットを見ながらどこにしようか迷ったが,とりあえず向かったのは「No.4 GuestHouse」。街の北西部にあり,徒歩では幾分不便な場所かもしれないが,その分静か。地球の歩き方にも「畑の真ん中にある隠れ家的な宿。民家のようなインテリアの,本格的竹製バンガロー」とある。

 宿はちょっと奥まったところにあるが,街の所々にある看板に従い進めば迷うことはない。宿に着くと美人のお姉さんが出迎えてくれた。オーナーの娘さんだ。とりあえず自転車を止め,値段交渉をしようとすると
「暑い中疲れたでしょう,ほら,これどうぞ。」
と,冷たいお茶にパイナップル,マンゴーを差し出してくれた。英語の得意な美人のお姉さんに冷えたお茶と果物。これはもうここに決定でしょう!(・・・これって向こうの策略にまんまとはまったってこと!?) チョウショウバト。姫撮影。

 部屋はガイドブック通り,竹製のバンガロー。トイレは便座が洋式だが水はタイ式で,シャワーの出はかなり良い。これで180Bは良心的で好感が持てる。ちなみにアユタヤーの「PS guesthouse」同様,水はフリー。更にスコータイ周辺の情報ノートが有り,また,希望者にはトレッキングツアーやオーナーによる料理教室等も申し込め,食事も可能。池の上に張り出したバンガローもあり(蚊がすごいだろうなあ),周囲が畑ということもあって小鳥類も多く,ムナオビオウギビタキやチョウショウバト,ミミジロヒヨドなどが目の前数メートルのところまでやってくる(まあ,彼らは日本で言えばスズメやムクドリ,キジバトのような感じだろうけど)。雰囲気も環境も◎なところだ!宿泊客は欧米人が多いものの,ゲストブックには日本語の書き込みも。

 チェックイン後はシャワーをして蚊帳を張り(竹製なので部屋を閉め切るなんてコトは不可能。その代わり風通しは抜群!),夕方まで部屋で涼んでから街へ出かける。10万人レベルの街とはいえ,夕方になればマーケットが賑わう。久しぶりにネットを1時間以上して(もちろん日本語OK),ナイトマーケットへ。道路を挟んで食堂街と,衣類や食料品街に別れている。屋台で食事をとり,ビールを買って宿に戻る。夜は姫の頭痛がひどく,あまり眠ることができず。走行距離は60キロ。


15日目(3/16)晴 -遺跡公園-
ワット・マハタート。アユタヤーとは雰囲気が違う。

 6時起床。外では5時半頃から鳥の鳴き声やラジオ(?)の音が流れて結構うるさかった。今日はここに連泊し,日中は荷物を置いてここから12キロほどのところにある「スコータイ遺跡公園」観光をする予定。日が昇りきる前に出発したかったのだが,ゲストハウスの朝食は7時半からとのこと。そこまで急いでいるわけではないので,開店(?)時間まで待つことに。すると,日本人の兄ちゃんがやってきた。ラオスとの国境沿いやチェンマイなどを旅してきたらしく,しばし盛り上がる。

 朝食は僕がフレンチトースト35B,姫はフルーツパンケーキ40B,兄ちゃんはスペシャルブレックファースト120Bを注文。フレンチトーストはそのままの味,フルーツパンケーキもその名の通りパンケーキの間にフルーツが挟んであるもの。スペシャルブレックファーストはというと,ベーコンエッグ,トースト,サラダ,その他数品というなかなかに豪華な内容(でも120Bという値段に僕は遠慮してしまうけれど)。 ワット・マハタート。柱が整然と立ち並ぶ。

 出発は9時。日はもうずいぶん昇ってしまったが,距離はここから12キロなので1時間ほどでつけるから問題ないか。兄ちゃんは先にソンテウ(中型,小型トラックに屋根と座席をつけた乗り合い「ミニバス」)で遺跡公園へ。僕等はその後を追うようにしてこぎ進める。昨日同様ただ真っ直ぐ。・・・と,ここで注目したいのがゲストハウスの情報ノート。なんと,この中には「お勧めのサイクリングルート」が載っていて,遺跡公園までの道もその一つとして紹介されている。どうやら,幹線道路と平行に流れる川の反対側を走る,快適な道があるらしい。 遠くに見えるのはワット・サ・シー。姫撮影。

 しかしその道への分岐を見逃してしまい,諦めて結局は幹線道路を走ることに・・・。幹線道路は走りやすさに関しては文句ないが,当然の事ながら面白みはない。淡々と走って10時過ぎに公園到着。手前のセブンイレブンで水とプリッツを買い,中へ(入場料は40B,自転車を公園内に持ち込むにはプラス10B。公園内は自転車で回るのにちょうどいい広さなので,入り口手前にはレンタサイクルがたくさんある)。先に行った兄ちゃんが入り口で待っていてくれた。彼はバイクで回るという。

 さて,ここでスコータイ遺跡公園について少し触れておくことにする。 スコータイは13〜14世紀の約140年間,アユタヤー朝の属国となるまでスコータイ王朝の都として栄えた街。広大な丘陵地帯に数々の遺跡が点在する,世界遺産だ。遺跡の作りはというと,東西1800m,南北1600mの三重の城壁内に囲まれた部分に主要遺跡が36カ所,城壁の東西南北にも90カ所。城壁内はタイ芸術局とユネスコにより大公園として修復,整備されている。遺跡は寺院の柱がレンガ造りのため,アユタヤーに比べて保存状態はかなり良好で,歴史好きにはたまらない場所だろう。ちなみに僕等が泊まっているのはスコータイの新市街,遺跡公園は旧市街と区別されていて,宿屋店などはほとんど新市街に集中している。 ワット・サ・シー。

 兄ちゃんと別れた後,僕等も観光開始。まずは公園内のトイレに行き(2B),城壁内のほぼ中央にある「ワット・マハタート(Wat Mahathat)」へ。柱が整然と立ち並び,柱と柱の間に挟まった仏像など,アユタヤーとは雰囲気が全くと言っていいほど異なっている。レンガの上でトカゲ(キシノウエトカゲみたいなやつ)が顔を出し,天気も良くて(ということは暑いのだが)いい感じだ。

 次は南にある「ワット・シーサワイ(Wat Sri Sawai)」へ。ガイドブックには「トウモロコシのような形をしている」とあったがそのとおり!入り口でムネアカゴシキドリが出迎えてくれた(ほかにもムシクイ類などがたくさんいたが同定できず・・・)。そして池に浮かぶ小島にある「ワット・サ・シー(Wat Sa Si)」へ。池があることにより独特の雰囲気が醸し出されていて,神聖な雰囲気を強めている。 ワット・サ・シー。水があるとまた雰囲気が異なる。

 主な遺跡を見て回った後は食事タイム。公園内に食堂街があるので,そこでとることに(英語メニューあり)。毎度お馴染みのチャーハンを注文したが,油の多さにちょっともたれてしまい,口直しのためにセンヤイナーム(きしめんの中華あんかけのようなもの)を追加注文(←単に食べたりなかっただけ)。こっちの味はGOOD!で満足して店を出る。

 食後は公園内の椰子林で休憩。椰子に鳥はあまり来ないようだが,喉のオレンジが鮮やかで,仕草が可愛いオジロビタキが登場したのでしばらく遊んでもらう。1時間ほど休み,その後は城壁北部の遺跡へ行ってみることに。この城壁,壁と入っても高さは高々2メートル。くねくねとした道を抜けて城壁外へ出ると,灼熱地獄には変わりないものの,周囲に水が多いためか,走っていて爽快感がある。レンタサイクルでサイクリングを楽しんでいる欧米人も多い(日本人はアユタヤーほど多くはない。というか,あそこは日本人だらけだったなあ)。 オジロビタキ。仕草が可愛い。

 城壁を抜けて1キロほどで,ガイドブック等で定番の「ワット・シー・チュム(Wat Sri Chum)」へ。ここは,屋根のない32m四方,高さ15m,厚さ3mの壁で囲まれた本堂内に,巨大なブッダ像がいっぱいいっぱいに納められている。魚眼レンズでないとその全てをカメラに収めるのは難しいほどのブッダ像はなかなか見応えがある。とはいえ他には特に何もない。ベンチで休みしていると,草地にビンズイの群,木にはチャイロオナガ。

 そうそう,実は,この遺跡公園は「自転車で鳥を見に行こう!」の「こっしー」さんが鳥見をしやすい場所だと紹介していたので,かなり期待していた場所なのだ。実際はどんな感じだったかというと・・・

 「鳥の数は多くないが開けていて観察しやすく,警戒心もそれ程ないので鳥見にはかなり適した場所」というのが今日の感想だ。もちろん,季節によっても違うだろうから,こっしーさんのように雨季に来たら感じ方は変わるだろうね。 ワット・シー・チュム。でっかいブッダ像。

 ちなみに,こっしーさんはHPのタイトル通り,鳥見をしながら韓国,中国,ラオス,タイ,マレーシア,インド,ネパール,インドネシア,オーストラリア等を旅された自転車乗り。旅日記はかなり詳細に書かれており参考にさせていただいた上に,お忙しい中メールでも幾度となくお世話になった方である。リンクを貼っているので是非とも見ていただきたい。読めば自転車鳥見旅がしたくなること間違いなし!?

 さて,ワット観光後は時間も押してきたので宿へと一直線。ゲストハウスに着いたのは16時。シャワー,洗濯,パンク修理をして17時過ぎに街へと繰り出し,自転車屋を物色。ここの自転車屋はGTやGARY FISHER,TREK等のマウンテンバイクが置いてあり,ちょっとびっくり。これは観光客相手の店なのか,ここスコータイでは地元住民の需要があるのか,ちょっと気になるところだ。その後はネットをしてから食堂街でスープ付きのチャーハンを食べ(これが激ウマ!),宿に戻り就寝。走行距離は35キロ。

今日見た鳥
カイツブリ アカガシラサギ コサギ ムネアカゴシキドリ チョウショウバト オウチュウ チャイロオナガ ムナオビオウギビタキ オジロビタキ インドハッカ オオハッカ スズメ ミミジロヒヨドリ ビンズイ ムシクイ類 スズメ 


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