'02英彦山 
5月31日 -初夏を感じるツーリング-
友人LATEOに借りている自転車。

 英彦山(ひこさん),福岡と大分の県境にあるこの山は,昨年も6月下旬にサークルの合宿で訪れた地である。しかしそのときは出発からかなりの雨。僕はみんなとは別に自転車で行ったのだが,走りを楽しむというより「疲れた」というイメージが強かった。翌日登山する予定も,登山道が川となっていて断念。そんな英彦山へ,今回は梅雨入り前,しかも天気の良い日に行くことにした。目的は「晴れた日に気持ちよく走り,初夏の山の空気を吸い,鳥を見る」。はたして達成できるかな。

 今回は愛車を失ってしまっている(2週間前の飲み会の後どこかへいってしまった。単に盗まれたのか,それとも自分でどこかへ移動したのかは記憶がないので分からない・・・)ので,友人のLATEOに借りているGIANTのマウンテンバイクで行くことに。それに加えて,GWの対馬でスノーピークのガソリンストーブを壊してしまい,まだ修理に出していないため自炊もなしのツーリング。初めから色々とハプニングがあるが,あまり気にせず行こう。なんといっても天気がいいからね!

 英彦山までの距離は70キロ程度だった記憶があるので,朝はゆっくり,9時の出発。3号線を南下し太宰府から112号へ移る。3号線は歩道こそあるものの,とてもではないが「走っていて気持ちのいい」道ではない。空気が悪すぎるし,景色だっていいはずない。とはいえ市街地を楽に通り抜けるのには便利なのでついつい使ってしまうんだよなあ。筑紫野のゆめタウンで買い物をし,386号へ。

 386号も日田方面へ抜けるには一番の近道(だと思う)なのだが,如何せん歩道がほとんどない。交通量もかなり多い。しかし,一本隣に農道があって,そっちは最高!車はほとんど通らないし,道の両側はヒバリが気持ちよさそうに囀る小麦畑が広がる。天気もいいし,いうことなしだ!晴れた日ってのは何でこんなに気持ちいいんだろう。初夏,というより気分はすっかり夏! 小麦畑を見ると、北海道を思い出します。これって、僕だけじゃないでしょ?

 甘木市に入ると322号に移り,そこから500号へと入っていく。この500号線,これがまた気持ちのいい道。東へ向かうとき(今日)は上りがそこそこあって「きつい」と感じるものの,交通量は少なく,両側は山で空気もおいしい。ただ,この自転車では「かなり」きついところが何カ所かあったかな。リヤが7段しかなく,荷物を積んでいるため一番軽くしても重い。

 江川ダムでは昨年崖崩れがあって,その復旧工事のため片側通行になっている箇所がある。まあここは車が少ないからきつくないけどね。でも,片側通行は嫌だなあ。500号が一息つく,211号との分岐まではおよそ18キロ。この間は本当におすすめの道。カッコウやホトトギスの鳴き声を聞きながら初夏の山道を楽しむことができる。

 小石原の道の駅に着いたのは2時。しばし水分補給をして休憩。夏になると水分の摂取量が一気に増える。普段でさえ飲む方なので,ツーリング時には一日3リットル以上飲んでいる。もちろん食べる量も多い。 一息ついたところで撮影。

 さて,ここから英彦山まではあと一息。まずは7キロほどの下りがあって,そこからは最後の上り。これがなんと10キロ!この自転車で大丈夫かなあ・・・。まあ,天気がいいので上りはゆっくり楽しむとしよう。楽しめたらの話だけど。

 最初の下りは最高だった。ツーリングマップルにも「山間の快走路」と書いてあるが,その通りの道だ(ただし,自転車の場合は下り方面のみ,ということにしておこう)。ここで,ツーリングマップルについて少し。チャリダー,ライダー問わずこの地図を愛用している人は多いと重う。かくいう僕もその一人。しかし,「不便」だと感じることもしばしば。まずは等高線の少なさ。縮尺が縮尺なので仕方ないのだが,100メートルおきの等高線はチャリダーにはつらいときがある。100メートル以内のアップダウンにやられてしまうからね。あとは,バイク用の地図だからこれも仕方ないのだが,「走りやすい」と書いてあるのはあくまでも「バイク」で走りやすいということ。今日走った500号のように必ずしもそうとは言えないときもあるが。そして,一番の問題は・・・

 「道がわかりにくい」

 これは地図としては致命的な欠点ではないだろうか。僕が単に方向音痴なだけなのかもしれないが,そうだとしても方向音痴の人にはあまりおすすめできない地図かもしれない。交差点の情報が今一足りないような気がする。去年北海道で開陽台に行ったときに,キャンパーネーム「仙人」を名乗るおっちゃんも同じようなことを言っていた。

 しかし,文句はあるものの僕はこれを愛用している(いや,愛用しているからこそ文句を言うのかな)。理由は「大きさが手頃」「値段が手頃」あとは「一回買ってしまったから使わないともったいない」くらいだろうか。ちょっとした情報も載っているし,やはり使ってしまうのがツーリングマップルといったところなのかもしれない。

 さてさて,話を戻すことにする。7キロの気持ちの良い下りを終えたあとは一転して10キロの上り。先ほどまでとはうって変わり,これはきつい。暑さも相まってきつい。自転車が重い。ちょこちょこ休憩をとりながら進む。5キロほど上ったところに温泉があるのでとりあえずそこまで頑張る。

 英彦山温泉「シャクナゲ荘」は500円。内容的にはごく普通の温泉。でも,走った後に入る温泉というのは格別だね。このために走ってもいいというくらいのもの。そして入浴後にはビール(or牛乳)を一杯,といきたいところ。まだ今日の走りは終わったわけではないが,ここまでの疲れを癒す。

 最後の5キロは半分気力で頑張る。今日の目的地,豊前坊の駐車場に着いたのは5時。ここの駐車場は結構広く,そばにトイレもある。登山道は目の前にあるので,今日はこの駐車場にテントを張って明日の朝早く登ることに。夕飯は途中で買ってきたパンとソーセージ。自炊できないのはやはりつらい。暖かいものを食べたい。これで十分懲りたから次回は絶対自炊にしよう。

 辺りではカッコウ,ホトトギス,ツツドリ,アオバトなどの声がこだまするのだが,如何せん姿を見ることができない。アオゲラ(?)のドラミングもあったが,こちらも姿は見られず。日が落ちると今度はコノハズクの声が響き渡る。ワールドカップの開幕も見たかったので今日出発するのはやめようかと迷ったが,来て良かった。初夏の空気を感じることができたしね。今日の走行距離は83キロ。

今日見た鳥
アオバト(声) カッコウ(声) ツツドリ(声) ホトトギス(声) コノハズク(声) アオゲラ(?) ヒバリ ツバメ キセキレイ ハクセキレイ ヒヨドリ ウグイス ヤマガラ メジロ ホオジロ カワラヒワ スズメ カササギ ハシブトガラス ソウシチョウ


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