出水への鳥見旅'04

2003年12月31日 曇

 一昨年&昨年に続き,今年も姫と一緒に行く年越し出水鳥見旅。去年まではバイトや卒論のため大晦日しか時間がとれず,こんな時期の旅行になったのだが,今回は「今までそうだったから」という何ともアホな理由での日程決め。ちょっと考えてみれば,なにも店の閉まっている割合の高い年末年始に出かける必要なんてないのに・・・。と愚痴っても仕方ない。しかも,今日の予報は「雨のち曇り」,明日は「晴れ」,そして明後日は「曇り時々雨」。でも年明けは電車混むだろうし・・・ということで半ば強行日程なのです。

 出水駅到着は13時41分。気温は11℃くらいで,走るにはちょうどいい。夕暮れまでにはまだ時間があるので早速鳥見へ出かける。今回の荷物は宿泊まりということで45リットルのザックのみ。これを背負って走り回るのはちょっと辛いが,まあ仕方ない。

 そうそう,今年の出水へのツル飛来状況はというと・・・ナベヅル8940羽,マナヅル3069羽,クロヅル7羽,カナダヅル3羽,ソデグロヅル1羽,ナベクロヅル4羽と行った状況(12月23日現在。出水市HPより)。昨年は来ていなかったソデグロヅルが今年は来ているということで期待は高まる。もちろん,ツル以外の鳥も(というか,そっちの方が気なったりも)。

 まず向かったのは出水駅から米ノ津川を下ったところにある「住吉」。今月のBirderに,この集落でホシムクドリが見られると書いてあったので,夕暮れまでそんなに時間がない事もあって東干拓や西干拓まで行くよりも近場を選んだのだ。しかし,住吉に着いたと思いきや突然のパンクで出鼻をくじかれ,3号線沿いの電柱でムクドリの群れを見つけたがお目当てのホシムクには出会えず,テンションは急降下。

 一カ所で粘っていると時間がなくなるので,次に向かったのは住吉から3号線を挟んで南に行ったところにある「福ノ江」。田畑の周りを流していると姫がチョウゲンボウ,ニュウナイスズメを発見。ニュウナイスズメは一昨年に見たのだが,当時の記憶はあまりなく,去年訪れた際には見ることができなかったので嬉しい。あとはシロハラやツグミを見たくらい。

 時刻は15時半を回った。次のポイントで今日は終わりにしようかということになり,向かったのは再び3号線を渡ったところにあるクリーク。ここでクサシギ,イソシギをゲット(クサシギ,実は初ヒット)。ヨシ原上空ではハイイロチュウヒ雌を見ることができた。16時半を回ったところで終了となったが,当初の予想よりに反し,意外に多くの鳥を初日から見ることができて満足。その後はスーパーで食料を買い,宿へ。

 今回泊まるのは,一昨年,去年に引き続き,出水駅前にある「ビジネスホテル鶴」。セミダブルで6800円(税抜)と,まあまあの値段なのでなかなか気に入っているホテルだ。今日のまとめをして,年越しそば食べて(カップ麺だけど・・・),大晦日のテレビをちょこっと楽しんで,12時前に就寝。

<今日見た鳥>
カワウ
ダイサギ
コサギ
アオサギ
マガモ
カルガモ
ヒドリガモ
トビ
ハイイロチュウヒ
チョウゲンボウ
ナベヅル
マナヅル
クサシギ
イソシギ
セグロカモメ
ウミネコ
ユリカモメ
キセキレイ
ハクセキレイ
タヒバリ
ヒヨドリ
ツグミ
シロハラ
カワラヒワ
ニュウナイスズメ
スズメ
ムクドリ
ハシボソガラス

2004年1月1日 曇時々晴

 6時半起床。初日の出が見られるかと期待したが,カーテンを開けると雲が広がっていて残念。支度を済ませて8時過ぎにホテルを出たのだが,自転車を見るとまたもやパンク。小さなガラス片が刺さっていた。今はいているタイヤは軽量&安価でコストパフォーマンスに優れているのだが,パンクにはかなり弱いようだ(単にタイヤが寿命なだけかもしれないけど)。結局出発は9時前。外は室内と比べてかなり気温が低く,部屋で暖まっていた体が一気に冷たくなってしまった。

 さて,今日は昨日行かなかった東干拓からスタート。ホテルからでも10キロ程で着くので,自転車の鳥見でも全く問題ない。3号線を越えると田圃にある電線で出迎えてくれたのはニュウナイスズメの群れ(10+)。幸先の良いスタートだ。そのまま道なりに進むと東干拓の観察小屋。前回の旅行でも見た車が何台か止まっていた。クリークには去年と同じくカワセミのいけす・・・。あまり好きではない場所だが,とりあえずツルのチェック開始。

 今回は目の前にカナダヅルが2羽,ちょっと遠くにもう1羽,クロヅルも200メートル程先に2羽。ソデグロヅルは,つい先程西干拓の方へ飛んでいってしまったらしい。その他にはコハクチョウ3。20分程観察してから西干拓へ移動。こちらには観光客もたくさん訪れ,地元の方が開く土産屋や食堂,民宿「鶴見亭」があり,観察塔も立派なものが建っている。今回は観察塔には入らず,下からツル探し。しかしソデグロらしきツルは見あたらず,30分ともたずしてギブアップ。食堂でうどんを食べて休憩。

 食後は西干拓を回るため,観察塔を離れることに。すると,観察塔南の田圃でミヤマガラスの群を発見。コクマルガラスを探すが見つからず,ここにはいないのかなぁと諦めつつあると,畦道に立った杭の上でコクマル暗色型ゲット!コクマルガラスは,恥ずかしながらこれが初ヒット。福岡でも,津屋崎や今津で探せば見つかるのは人からよく聞くので,この冬は福岡に戻ってからも探さないとなぁ。

 その後は西干拓を流れるクリークそばのヨシ原でホオジロ類探し。風も弱くて穏やかな日,ツリスガラやホオアカ等を期待していたのだが,見られたのはアオジ,モズ,オオジュリン,ホオジロと寂しい限り。ハイイロチュウヒ雌?も出たのだがスコープに入れる前にロスト・・・。そういえばウグイスも見なかった。

 時間も14時を回ったので西干拓の堤防をざっと見た後は再び東干拓へ。すると観察小屋の手前に車が2台。「これは・・・」と思いつつ辺りを見回すと,思った通りソデグロヅル!ピンクの足に真っ白な体はなかなか綺麗だ。「ソデ」の黒い部分まで見ることができて大満足。隣にいるのにみんなソデグロに夢中なため,相手にされないコハクチョウを撮った後は,再び観察小屋へ。すると,午前中よりも近いところでカナダヅルが大サービス。今日はなかなかついている日だ。タゲリの中に混ざっていたケリを姫が見つけたりもして,「今日はいける!」という確信(?)から,本日の締めは昨日のリベンジで住吉でのホシムク探し。

 出鼻をくじかれた,忌まわしのパンクポイントに着くと電線にムクドリが20羽程止まっていた。「ちょっと少ないなぁ・・・」と思いつつチェックしてみると,その中にホシムク1羽発見!今日は本当に「ついている」ようだ。調子に乗って昨日のハイチュウポイントへ。しかし,そううまく事が運ぶはずはなく,16時を回ったところで撤収。元旦営業のCoCo壱でカレーを食べてホテルに戻る。

<今日見た鳥>
カイツブリ
カワウ
ダイサギ
コサギ
アオサギ
ツクシガモ
マガモ
カルガモ
コガモ
ヒドリガモ
オカヨシガモ
オナガガモ
ホシハジロ
ミサゴ
トビ
ハイイロチュウヒ
オオバン
バン
コハクチョウ
ナベヅル
マナヅル
クロヅル
(ナベクロヅル)
カナダヅル
ソデグロヅル
ケリ
タゲリ
ハマシギ
イソシギ
クサシギ
タシギ
セグロカモメ
ウミネコ
ユリカモメ
カワセミ
キセキレイ
ハクセキレイ
タヒバリ
ヒヨドリ
モズ
キジバト
ツグミ
ジョウビタキ
アオジ
ホオジロ
オオジュリン
カワラヒワ
ニュウナイスズメ
スズメ
ホシムクドリ
ムクドリ
コクマルガラス
ミヤマガラス
ハシボソガラス
ハシブトガラス

2004年1月2日 曇

 この旅行で一番悩まされたのは「天気予報」。特にこの1月2日に関する予報が曲者で,ピンポイント予報をチェックすると,予報が更新される度に(天気予報は基本的に午前5時,午前11時,午後5時の1日3回発表)晴れやら雨やらと変わる有様。結局今日の予報は「曇りのち一時雨」に落ち着いたのだが,昨日の時点で発表されていた「晴れ」の予報に小躍りしたのが虚しい。

 朝はどんよりと曇り,確かに予報通り天気は下り坂のようだ。8時過ぎにホテルを出て一旦出水駅のコインロッカーに要らない荷物を預け,鳥見へ出発。出水駅から乗る予定の,帰り列車の発車時刻は16時。雨が気になるが時間はまだたっぷりあるので,今日は高尾野川中流部から攻めていくことにして,JRの線路に沿って西へ向かう。狙いは昨日見られなかった,ツリスガラやホオアカといったところだろうか。

 正月の静かな道を気持ちよく走り高尾野川に着くと,川の土手にはきれいな舗装路が造られていた。「ラッキー」と思い走ろうとしたのだが,そこには看板があり,「ここはジョギングロードです。バイクや自転車は通行禁止」と書いてあるではないか・・・。自転車を押して進もうかと思ったが(これなら自転車を持っていても「歩行者」だから問題ないはず。その前に正月でジョギングしている人はほとんど見かけなかったのだが),鳥の気配があまりしないのでもうちょっと下流までは川沿いの道路を進むことにし,国道3号線が見える辺りから河川敷に降りて自転車を押しながら鳥見をすることに。

 ツルの声を聴きながらカワセミやイソシギ,タシギを見て歩き続け,3号線を越えると土手の舗装がダートに変化。あまり気にせず進んだのだが,泥はねで二人とも自転車が終了気味に・・・。雨が洗い落としてくれることを期待しつつ,西干拓へ向かう。

 西干拓手前,高尾野川と野田川の合流地点に来ると,中州でダイサギと一緒に採餌中のクロツラヘラサギを発見。ハマシギも20程の群をなしてあちこち忙しそうに飛び回っている。野田川の方へ移動すると今度は河原にイカルチドリ5+を発見。河原にいると保護色で目立たないが,見つけると嬉しい鳥の一つだ。そして対岸を見るとセイタカシギ!ちょっと季節外れのような気がするけれど,どうなのだろう?

 予想外の鳥(セイタカシギは福岡で振られっぱなし)に満足し,西干拓へ。ここは土産&トイレ休憩のみ。雲行きも怪しくなってきたので早めに移動することにして,急ぎ足で東干拓へ向かう。すると昨日よりも近くにソデグロヅル。太陽も出ていないので写真も撮りやすく,大満足。30分程観察した後は,昼を回ったこともあって食事タイムに。そうそう,ムネアカタヒバリは探し方が足らず,結局見つけきることができなかった。

 328号線沿い,ケーズデンキ隣にある「華亭」という,ちょっと新しめのラーメン屋にて僕はラーメン650円(大盛り100円追加)+ライスを,姫は「ゴマみそラーメン」700円を注文。麺は,博多ラーメンよりは太い(当たり前か)が鹿児島のラーメンよりは細めで,スープはちょっとあっさり目の豚骨。誰にでもお勧めできそうな,美味しいラーメンだった。

 食後は一旦米ノ津川河口にある名護港へ行くが,河口でカンムリカイツブリを見た他は収穫なし。住吉の集落にあった「住吉神社」で初詣をしてからは,米ノ津川を上っていくことに。3号線を越えてしばらく行くと「ジョギングロード」になったので,自転車を降りて歩いての鳥見。「クレインパークいずみ」の手前でカモの群を発見し,ハシビロガモ,ヨシガモ,ホシハジロ,キンクロハジロ等をゲット。上空ではチョウゲンボウが飛んでいた。

 クレインパーク出水を過ぎて大きめの通りに出ると,今度は電線に止まるムクドリの群を発見!飛ぶ気配がないので近づいてチェックすると,ホシムクドリが6羽。最後の最後で今回の目的の一つでもあったホシムクを撮り,15時を回ったこともあって今回の鳥見は終了して出水駅へ移動。

 出水駅からは16時発の電車に乗り,博多に戻ってきたのは20時半。今回は狙っていた鳥の多くを見ることができ,非常に満足のいく旅行となった。

<今日見た鳥>
カイツブリ
カンムリカイツブリ
カワウ
ダイサギ
コサギ
アオサギ
ゴイサギ
クロツラヘラサギ
マガモ
カルガモ
コガモ
ヒドリガモ
オカヨシガモ
ヨシガモ
オナガガモ
ハシビロガモ
キンクロハジロ
ホシハジロ
トビ
チョウゲンボウ
オオバン
バン
コハクチョウ
ナベヅル
マナヅル
カナダヅル
ソデグロヅル
タゲリ
イカルチドリ
ハマシギ
イソシギ
セイタカシギ
タシギ
セグロカモメ
オオセグロカモメ
ウミネコ
カワセミ
キセキレイ
ハクセキレイ
タヒバリ
ヒヨドリモズ
キジバト
ツグミ
ジョウビタキ
アオジ
ホオジロ
スズメ
ホシムクドリ
ムクドリ
ミヤマガラス
ハシボソガラス
ハシブトガラス