'03 出水への鳥見旅
2002年12月31日 曇

 昨年に続き,姫と一緒に行く年越し出水鳥見旅。前回は自転車を持っていかなかったためにJR&バス&徒歩の鳥見という時間的な制約がかなりある旅となってしまったので,今回はもちろん自転車を持っていく。7時25分箱崎発18切符での輪行旅だ。大晦日のJRはそれほど混雑せず,すんなりと輪行する事ができた。乗車率もそれほど高くない。乗り換えの途中では外国人のバックパッカー集団や自転車乗りのおっちゃんも発見。どうやら屋久島へ行くらしい。やっぱり屋久島は人気があるなあ,僕も行きたい!

 出水駅到着は13時41分。気温は11℃くらいで,走るにはちょうどいい。夕暮れまでにはまだ時間があるので早速鳥見へ出かける。今回の荷物は宿泊まりということで45リットルのザックのみ。これを背負って走り回るのはちょっと辛いが,まあ仕方ない。

 さて,ここで出水の鳥見ポイントについて少し紹介しよう。出水で有名なのはもちろん「ツル」だが,そのツルが多く飛来するのは河口部にある干拓地。 二つあって,それぞれ西干拓,東干拓と呼ばれている。西干拓にはツル観察センターや民宿,売店などが集まっており,一般の観光客(もちろん僕だって行くのだが)は 西干拓へ集まる。一方東干拓はというと,こちらはただ広い干拓地が広がっているだけで,観光施設などは存在しない。 ツルの数,種類は似たようなもの。ちなみに,出水へ飛来するツルはナベヅル,マナヅルの2種がほとんどで,それに加えてクロヅル,カナダヅル,アネハヅル,ソデグロヅルなどのツルが数羽程度飛来する。今年は,ソデグロヅルが今のところは来ていないようだ。

マナヅル。

 今日はとりあえず出水駅から近い東干拓(といっても西干拓は東干拓の隣にあるだけだが)へ行ってみる。実はこの東干拓,昨年は徒歩のために断念したところなのだ。出水駅から東干拓までは10km弱。新年を迎える準備をしている町を走り抜けると30分ほどで到着。プレハブの観察所のようなものが見えたのでそちらへ向かう。鳥屋は結構来ているようだ。プレハブ前に自転車を止めてスコープの準備をしていると,中からおっちゃんが出てきて「カナダがいるよ。」と一言。どうやら目の前の採餌場にいるらしい。スコープをのぞいてしばらく探すと,発見!周りのマナヅルと比べると,大きさの違いがよくわかる。他にはタゲリやツクシガモ,あとは姫が遠くにハヤブサを発見した。

 30分ほど経ったところで時刻は3時半をまわり,気温も少しずつだが下がってきたため今日の鳥見はこれにて終了(早っ!)。プレハブ前にある水路では鳥屋が5,6人集まってカワセミを撮っていた。数メートル先まで近寄っても逃げない。どうやら餌付けをしているらしい。カワセミが止まっている枝のすぐ下にはいけすがあった。・・・こういう人たちを見るのは初めて。出水でもやっている人がいるんだなあ(といっても本州から来ている人達だが)と思うと何だか微妙な気持ちになる。

 帰りはスーパーに寄って買い物。明日はコンビニしか開いていないだろうから,買えるものは今日買っておいた方がいい。 夕食やインスタントラーメンなどを大量に買い込んで宿へと向かう。今回の宿は昨年に引き続き出水駅から数百メートルの所にある「ビジネスホテル鶴」。ここはツインで6800円。西干拓にある民宿「鶴見亭」にも泊まってみたいが,昨年の好印象から前者を選んだ。このホテル,この値段で設備はなかなかのもの。部屋の広さはそれほどでもないが,バスルームなどはかなりきれい。コンビニも近くにあるので立地条件も良い。年越しインスタント蕎麦を食べ,23時過ぎに就寝。

ナベヅルの群れ。 ツグミ。

<今日見た鳥>
ダイサギ
コサギ
アオサギ
ツクシガモ
マガモ
カルガモ
コガモ
ヒドリガモ
オナガガモ
トビ
ハヤブサ
ナベヅル
カナダヅル
マナヅル
タゲリ
セグロカモメ
カワセミ
キセキレイ
タヒバリ
ヒヨドリ
ツグミ
カワラヒワ
スズメ
ムクドリ
ミヤマガラス
ハシボソガラス
ハシブトガラス


2003年1月1日 曇
タゲリ。福岡で見るのに比べて緑が薄いような印象を受けました。

 初日の出はくもりのために拝むことができず,それを確認してから2度寝したために起床は9時前。荷物をホテルに残して出発したのは10時という,気合いが足りない年明けスタートになってしまった。

 とりあえず向かうのは昨日と同じ東干拓。・・・しかしいるのは昨日と同じカナダヅルのみ。おっちゃんに話を聞くと「アネハヅルは,朝だけはここで餌を採るんだけどそのあとはどこかへ行ってしまうんだよ。みんな探してるんだけどなかなか見つからなくてねえ・・・。」とのこと。車の方々が大勢で探しても出て来ないんならアネハは後回しにしよう。

 昼も近づいてきたので,昨日行っていない西干拓へと向かうことに。東干拓と西干拓の間には川があるのだが,つい先日そこに橋が架かり,お互いの行き来がしやすくなった。橋を越えて西干拓へ。観察センターには多くの観光客が来ている。売店で甘酒を飲み,展望台へ。アネハヅル,クロヅルはいないかなーと30分ほど探してみるがいっこうに見つからない。気温が低いうえに風も結構あるので体感温度はかなり低く,ツル探しは断念して食堂で昼食。こういうところで自分の気合いの足りなさがよくわかる(まあ,どうしても見たいという気持ちがそこまでないというだけなのだが)。

観察センター前にて。

 食後は西干拓周辺を散策。小鳥類を期待して川沿いにあるアシ原へ行ってみるが,この気温と風では小鳥はなかなか出てきてくれない。ウグイスはたくさん表に出てきてくれたけど・・・。アシ原を川沿いに見ながら下り,その後は再び東干拓の方へ向かう。途中で鳥屋の車を数台発見したので寄ってみるが,ミヤマガラスの大群とマナヅル,ナベヅルがいたのみ。東干拓でチョウゲンボウを見て,16時過ぎに今日の鳥見終了。・・・このままカナダヅルやアネハヅル,更にはコクマルガラスすら見ることができずに終わってしまうのか??

 帰り際には,「箱崎八幡宮」という福岡と同名の神社へ初詣へ。この辺りでは大きな神社なのだろう,18時前だというのにかなりの初詣客でごった返していた。これで明日の鳥見は良い方向へ向かってくれるかな?

<今日見た鳥>
カワウ
ゴイサギ
ダイサギ
コサギ
アオサギ
ツクシガモ
マガモ
コガモ
ヒドリガモ
オナガガモ
ミサゴ
トビ
チョウゲンボウ
ナベヅル
カナダヅル
マナヅル
オオバン
タゲリ
セグロカモメ
カモメ
キジバト
カワセミ
キセキレイ
ハクセキレイ
タヒバリ
ヒヨドリ
モズ
ジョウビタキ
シロハラ
ツグミ
メジロ
ウグイス
ホオジロ
アオジ
カワラヒワ
スズメ
ムクドリ
ミヤマガラス
ハシボソガラス
ハシブトガラス

2003年1月2日 晴
マナヅルのディスプレイ。

 最終日。・・・しかし起床は8時。9時前に宿を後にしてまずは出水駅へ。コインロッカーにいらない荷物を預けてから鳥見へ出発。今日は西干拓から回ることに。野田川をチェックしながら進んでいくが,見られるのはカワラヒワ,ツグミ,モズ,スズメ,ヒヨドリくらい。川を諦めて農耕地に目をやってみる。するとホオアカ(実は初ヒット)。いい気分で西干拓へ。

 今日は観察センターに入らず,外からのツル探し。最終日ということで気合いは入るのだがそれと結果は結びつかない。側にいた鳥屋の方に聞いてみても「今来たところなんで・・・。」という返事が返ってくるのみ。ちょっとへこみ気味でマナヅルやナベヅルを撮っているとスコープを持った夫婦がやってきた。「アネハヅルいましたよ。」とのこと。どうやら,目の前の大群の中にいるらしい。お礼を言い,言われた辺りを探してみると・・・アネハ発見!一番奥にひっそり(?)といた。ちょっと遠すぎて写真は無理だったが,アネハのきれいな姿を見ることができて感激。残るはクロヅルのみ(これが一番見つかりやすいはずなんだけど・・・)。

 今日は日差しも暖かく,風もそれほどないので昨日のアシ原へ再挑戦。ホオアカ,ツグミ,アオジ,ホオジロ,ジョウビタキ,ウグイス,メジロ,オオジュリン,ツリスガラ(声のみ)など,昨日と比べると多くの鳥が見られる。上空はハイイロチュウヒ(♀)も通過。なかなかいい感じだ。

ナベヅル。

 しかし時間が迫ってきたのでゆっくりと見ることはできず,早足で移動。コクマルガラスを探しにミヤマガラスの群れを見るが,それらしき個体は見つからず。最後に東干拓へ立ち寄り,おっちゃんに「クロヅルいますか?」と聞いてみる。すると,「そこにずっとおるよ。」という答え。どうやら,一昨日からずっといたのだが,別に珍しくない(?)ので特に言わなかったらしい(聞かないこっちが悪かった・・・)。おっちゃんに言われる方を見ると確かにクロヅル。な〜んだ。でも,これで今年出水に来ているツルはコンプリート!とりあえずほっと一息といったところだろうか。

 結局コクマルガラスは見られず終いだったが,時間がないので仕方なく駅へ向かう。16時の電車に乗って福岡へ帰還。さて今回は自転車持っての出水だったが,感想としては「出水だけなら十分いける」というのが正直なところ。周辺の川内(カラフトワシ)や八代(オオズグロカモメ)も回ろうと考え場合は,ちょっとがんばりが必要かもしれない。

<今日見た鳥>
カワウ
ゴイサギ
ダイサギ
コサギ
アオサギ
ツクシガモ
マガモ
カルガモ
コガモ
ヒドリガモ
オナガガモ
ミサゴ
トビ
ハイイロチュウヒ
クロヅル
ナベヅル
カナダヅル
マナヅル
アネハヅル
オオバン
タシギ
セグロカモメ
キジバト
カワセミ
キセキレイ
ハクセキレイ
タヒバリ
ヒヨドリ
モズ
ジョウビタキ
イソヒヨドリ
シロハラ
ツグミ
ウグイス
ツリスガラ(声)
ホオジロ
ホオアカ
アオジ
オオジュリン
カワラヒワ
スズメ
ムクドリ
ミヤマガラス
ハシボソガラス
ハシブトガラス


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