旅に必要な物は?

「キャンプ中心で旅をしたい。でも,キャンプなんてほとんどしたことないし, 何を揃えればいいかわからない。」そんな人も結構いるのではないでしょうか?ここでは,旅の持ち物の紹介をします。実際私が使っている物は「My Bicycle〜荷物積載version〜」「旅の持ち物」コーナーにあるので,良かったらそちらも見てください。

日帰りの旅

 まずは,日帰りの旅から。必要な物は飲み物と工具,地図くらいかな。飲み物は言うまでもなく必要な物。 自転車に乗っているとかなりの量を必要とします。夏場なら500mlでは到底足りません。私は自転車に1.5リットルのペットボトルを取り付けて走っています。 工具は,日帰りならばパンク修理キットと六角レンチ,携帯空気入れがあれば大丈夫。あとはお金さえ持っていれば何とかなりますよね。

◆ 地図
 たとえ日帰りであっても知らない土地へ行くのであれば地図は必須。ツーリングの地図というと,昭文社出版のバイク用「ツーリングマップル」は あまりにも有名。コンパクトながら道路や観光地,宿情報など盛りだくさん。縮尺は10〜20万分の1なのであまり詳しくは載っていませんが, 便利なのでついつい使ってしまいます。欠点は
  1. バイク用なので道路情報は参考にならない。「快適なワインディングルート」とあれば自転車には「辛い辛いワインディング」となってしまう
  2. 載っていない道があったり交差点の情報不足などのため迷いやすい
  3. 等高線の間隔が広く(100m〜),アップダウンがわかりづらい
などがあります。ツーリングマップル以外の地図では,各都道府県ごとにわかれている5万分の1程度の地図がおすすめでしょうか。 林道を走ったりするのなら国土地理院発行の2万5千分の1の地図も使いますよね。

宿泊まりの旅

 さて,次は宿泊まりの場合。とはいっても特別なものがいるわけではありません。 普通の旅行と同じく,着替えや洗面用具などがあれば十分。ただ,荷物をどうやって持っていくかが問題。一番簡単でお金もかからないのは背負っていくこと。 そうでなければ自転車に荷台をつけて荷物をくくりつける(もしくは荷台に取り付けるサイドバッグを使用する)。まず前者ですが, 1泊程度で荷物も少ないのならともかく,そうでないのならばおすすめしません。何故って,肩に負担がかかりすぎるから。 以前8kgほどのデイバッグを背負って1週間ほど旅をしたことがあるのですが,肩こりで旅どころではありませんでした。 あとは背負っている部分は汗を大量にかきます。夏場も嫌だけど冬は冬で汗が冷えて辛いですよ。化繊のTシャツなどを使うのも1つの方法ですが, それでもできることなら背負わない方がいいなあ。

◆ 雨具
 かなり大事なのがこの雨具。日帰りならともかく,数日以上のツーリングでは雨に降られることもあるでしょう。まずはレインスーツから。 使い捨てとして考えるのならコンビニでも売っている薄いビニールのカッパで十分。そうでなければある程度お金を出すことになるのですが, そこでおすすめなのは「ゴアテックス製」のレインスーツ。知っている方も多いと思いますが,ゴアテックスとは汗などの小さな分子を通し, 水滴などの巨大分子をシャットアウトするという繊維。レインスーツ以外に靴や手袋などにも利用され,幅広い支持を受けている素材です。 値段は,レインスーツなら上下で1万数千〜というところでしょうか。「カッパに1万円以上も出すの!?」と思われる方も多いでしょうが, たかがカッパと思うなかれ。雨の日に体中びっしょりになって走ることを考えれば安い(?)買い物。防寒着代わりにもなりますしね。 私は数日以上のツーリングならば,ほとんどの場合レインスーツが防寒着です。メーカーによってはかなりお洒落なモデルもあるので十分ジャケットとしても 使えますよ。ただ,最後に欠点が一つ。いくら水蒸気だけを逃がすといってもそれには限度があります。自転車による発汗量がこれを上回る こともしばしばなのでその点はご承知を。

野宿&自炊の旅

 さてさて,本命(!?)はここから。野宿(キャンプ場の利用などを含む)&自炊をしながらの旅に 必要な物について紹介しようと思います。野宿をすればテントや寝袋,自炊をするならば食器や火器など,荷物が増えることは容易に想像できますよね。 ・・・ということは,この場合は1泊だろうが1年だろうが荷物の量はさほど変わりません。荷台に結構な量の荷物を積んで走ることになりますね。

◆ テント
 まずはテント。これはとりあえずの必需品。ないならないでも公園の東屋や橋の下,バス停などで寝ることは可能です。とはいえできることなら欲しいところ。 登山用の軽量テントなら1.5kgを切る物もあるし,それほどかさばることはありません。では,どんなテントを買ったらいいか。 もちろん好みでいいと思いますが,2,3アドバイスを。まず使用人数について。テントには「1〜2人用」「2〜3人用」などそれぞれキャパシティーが 書かれているのですが,例えば,「1〜2人用」というのは「人間2人がテントの中にすっぽり入るサイズ」だということです。 当然,2人でテントに入れば荷物を置くスペースなどありません。それどころか寝返りを打つのも一苦労。そう,荷物の多い旅をする場合, 「1〜2人用」ではたとえ1人であってもちょっと狭く感じるかもしれません。私が実際使っているのは「2〜3人用」。 これなら荷物を置くスペースは十分あり,1人でなら快適に使用できます。2人も,ちょっと狭くなるけどまだ余裕はあるかなぁ。 「使用人数+1人」というのがテントを選ぶ際の目安になると思います。値段は,2kgを切るテントだと3万以上はします。 でも,テントはいわば「我が家」。そこを考えて買われるのがいいかと思います。あ,それと最後にもう1つ。 「ツーリング用」と書かれたテントがあるかと思いますが,それは基本的に「バイクツーリング用」。 バイク用だとなんかよくないことでもあるのかって?いや,別に悪いことはないのですが,そのなかには「重い」やつがあるので要注意なのです。 私的には2〜3人用で2.5kg以上あるテントは自転車旅にはあまり使いたくないです。ちなみに,この重さにテントのポールは入っていません。
◆ 寝袋
 テントの次は寝袋。テントはなくても何とかなると書きましたが,この寝袋は「あった方が絶対いい!」といえるアイテム。 自転車の旅では食事と同等,もしくはそれ以上に重要かもしれないのが睡眠。快適な睡眠を得ることができるか否かは寝場所の選択と この寝袋にかかっています。寝袋には色々な物があるのですが,まずはその形状から。大きくわけて「封筒型」と「人形型」があります。 前者は長方形の形をしていて布団感覚(結構かさばる?車やファミリーでキャンプする人向けかな),後者はいかにも「寝袋」って感じ。 次は素材。「羽毛」か「化学繊維」か。前者は軽量で非常に暖かい(らしい)のですが水に弱くて濡れると大変,後者は羽毛に比べれば かさばるかもしれないけれど濡れても大丈夫。初めて買うのなら化繊の方がいいでしょうか。さてさてその次は「どの季節用か」ということ。 夏の旅に冬用の寝袋を持っていくのは暑くてかさばるし,逆ならば寒くて耐えられないでしょう。まずは「3シーズン用」の寝袋を手に入れればいいでしょう。 夏場は暑くて寝袋いらないってことも多々ありますし。とはいえ夏用はかなり使えます。私の場合,春の沖縄から夏の北海道( これはちょっときついときもありましたが)までは「夏用寝袋」で決まりです。最後に値段。バーゲンで売っているのには2000円以下のもありますが, かさばるのでよく考えた方がいいかも。5000〜10000円くらいの間で探すのが妥当でしょう。
◆ マット
 寝袋だけでも快適な睡眠を得ることはできますが,マットがあればさらに快適に!というか,これがないと翌日身体が痛くなること多し。 マットには,花見やハイキングなどでもよく使われる,いわゆる「銀マット」と,空気注入式の「エアーマット」,表面に凸凹のついた 「リッジレスト,Zレスト(クローズドセル・フォームパッド)」などがあります。銀マットは1000円以下で購入でき,お手軽。 それでいてなかなかにマットの役割を果たしてくれます。欠点は「軽いけどかさばる」ところでしょうか。エアーマットは安い物でも5000円は下らず, 銀マットに比べればちょこっとですが重い。しかし小さくまとまって収納は便利だし,何より「気持ちいい!」。買って損はありません。 エアーマットには120cmほどのショートタイプと身長と同じくらいのロングサイズがありますが,大きさや重さのことを考えてショートタイプで 十分だと思います。姫は「短くて嫌」と言って銀マットを使っていますが。「リッジレスト」は銀マットに比べれば格段の保温性・快適性があり, 値段もお手頃。収納サイズはサーマレスト<リッジレスト<銀マットの順で大きくなります。まあ,マットは大きさを気にしなければ銀マットでも 全然問題ありませんけどね。
◆ 食器類
 自炊をするのなら必要ですよね。必要最小限でよいのならコッヘル(鍋がいくつかセットになっている)とスプーン,フォーク,箸で決まり。 コッヘルはチタン製が軽くて好き(というかチタンそのものが好きなだけ?)なのですが焦げやすいのが欠点でしょうか。これら以外ではナイフ, マグカップや普通(家庭用)の鍋,まな板など。中華鍋を持って旅する人もいますよ。
◆ 火器
 お湯を沸かすのにもご飯を炊くにも火器は必要。燃料には「カセットガス」「ガスカートリッジ」「ホワイトガソリン」などがあります。 まず,「カセットガス」について。これはいわゆる「カセットコンロ」に取り付けるガス缶を使用するタイプ。コンビニや100円ショップでも 手に入る手軽さが魅力です。「ガスカートリッジ」は登山用などに使われているもの。今は最も一般的ではないでしょうか。 コンパクトでカセットガス同様扱いが楽,入手はスポーツ用品店やアウトドアショップ,ホームセンターなどで可能。 「ホワイトガソリン」は車などに使うガソリンよりも純度の高いガソリンを使用するタイプ。扱いはちょっと面倒かもしれませんが, 旅が長期に渡る場合はガスカートリッジ等の場合大量のガス缶がゴミとなるのでガソリンの方がいいかも。普通のガソリン( いやゆる赤ガス)もメンテナンスをこまめにすれば使用可能の製品があるのも魅力。
用途に応じて使い分けるのがいいかと思いますが,初めに買うとなれば「カセットガス」「ガスカートリッジ」タイプがおすすめでしょう。 ちなみに後者はあまり選択余地がありません。メーカーとしてはスノーピーク,プリムス,EPI,コールマン,キャンピングガスなどがあります。
◆ 工具
 初めにも少し書きましたが,ある程度の期間旅に出るのならば,
パンク修理キット タイヤレバー モンキーレンチ スペアチューブ 六角レンチ スパナ チェーンカッター オイル スポーク  ニップル回し スプロケットはずし ラジオペンチ
などがあれば大丈夫ではないでしょうか。まあ,これを全部持っていく必要はないかもしれませんけどね。パンク修理キット〜六角レンチ あたりまでがあればいいような気もします。

主な持ち物はとりあえずこんなものでしょうか。これ以外には,

  • トイレットペーパー・・・普通に使う以外にも食器ふきなど用途は多彩
  • ビニール袋,針金・・・役に立つこと多し
  • 洗濯ばさみ&ロープ・・・これも使う
  • 折り畳み傘・・・走行時に使わなくても観光時や歩いて移動するときに活躍
  • カメラ,書籍など・・・お好みで。

などがありますかねえ。

バッグ&キャリア

最後に,これらの荷物を入れるバッグや荷台について。

◆ キャリア(荷台)
 日帰りや1泊の宿泊まり程度ならともかく,キャンプツーリングとなると荷物を自転車に載せて走ることになります。その際まず必要となるのはキャリア。 これには前輪の両側につけるタイプと後輪につけるタイプの2種類があります。バランスを考えれば,前後にキャリアを取り付け,前にはサイドバッグ, 後ろにはキャリアの上に荷物を載せるのが1番でしょうか(もちろん,前後両方にサイドバッグをつけるのは構いませんが)。 とはいえ,キャリアも結構な値段がしますし,輪行(別コーナーで述べます)を考えると荷物は少ない方が◎。その場合はリアキャリアのみを とりつけるのが一般的になります。・・・で,前置きが長くなってしまいましたが,どんなキャリアが良いか。素材は「鉄」がおすすめ。 市場にはアルミのキャリアが多く出回っていますが,折れたときのことを考えると鉄の方がよいそうです(鉄なら近くの鉄工所で溶接してもらえるかもしれないが, アルミだと技術を要するらしく,どこでも溶接してもらえるとは限らないらしい)。メーカーは日東が1番強いと言われているようですが, 値段の面から見るとミノウラがおすすめかな。3000円以下で買えるし。シートポストに取り付けるキャリアは大荷物や長旅では不向き。 旅のスタイルによって使い分けるのがいいのではないでしょうか。